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韓国豚肉需給の現状と今後の見通し(2011年9月現在)

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 韓国農村経済研究院(KREI)農業観測センターが9月25日に公表した2011年10月号の畜産観測(豚編)に基づき、韓国の豚肉需給の現状と今後の見通しを報告する。

2012年3月の飼養頭数は前年を上回る見込み

 豚飼養頭数は、2010年の口蹄疫(FMD)発生により、2011年以降前年を下回って推移してきたが、繁殖用母豚の無税枠導入による母豚頭数の回復や堅調な生体価格に伴い、9月の飼養頭数は6月より17〜27万頭増加の750〜760万頭となり、12月は9月より20万頭増の770万〜780万頭と見込まれる。
 2012年以降については、3月は12月比3.8〜3.9%増、前年同月比では13.7〜15.1%増の800〜810万頭と、増加傾向で推移すると見込まれるが、飼養面積の最小基準導入の検討や批准待ちの韓米FTAなど生産者にとって規模拡大に踏み切れない要素があり、年内までにFMD発生前の水準には回復しないとの見方もある。

表1 豚養育頭数の推移(単位:千頭)

 

6

9

12

3

2011〜12年(A)

7,330

7,500-7,600

7,700-7,800

8,000-8,100

2010〜11年(B)

9,728

9,901

9,881

7,036

A/B (%)

75%

76%-77%

78%-79%

114%-115%

資料:韓国農村経済研究院(KREI)農業観測センター

 注:2011月12月以降は農業観測センターの予測値


と畜頭数は9カ月連続で前年を下回る 

 2011年8月のと畜頭数は、前年同月比25.3%減の88万頭と9カ月連続で前年を下回ったが、前月比では21.2%増となった。また、10月〜来年3月のと畜頭数は前年同期比13.0%減の579万頭と見込まれ、飼養頭数の増加に伴い、8月以降もおおむね前月より増加傾向で推移するものとみられる。
 なお、10月〜来年3月の豚肉生産量は、と畜頭数の減少により前年同期比12.4%減となるものの、8月以降は月平均2%前後の回復傾向が持続すると見込まれる。

表2 豚と畜頭数(単位:万頭)

年\月

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

2009

113

112

119

115

103

113

114

111

125

115

124

129

2010

120

114

133

123

117

117

115

118

113

129

137

127

2011

98

79

95

91

87

78

73

88

84

96

100

99

平年

117

108

117

116

111

108

109

112

114

124

128

124

2011/10(%)

82

69

71

74

74

67

63

75

74

74

73

78

資料:国立獣医学科検疫院、農業観測センター

注1:2011年9月以降(斜体)は農業観測センターによる予測値

 2:平年値は2006〜2010年の5年間の最低、最高値を除いた平均値

表 月別豚肉供給量(単位:千トン)

年\月

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

2009

75

76

87

78

79

77

66

72

80

74

76

85

2010

79

74

87

82

81

78

73

78

73

79

81

83

2011

80

53

88

100

94

78

64

63

63

67

70

68

2012

70

66

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平年

81

73

87

80

80

77

71

75

73

77

80

82

2011/10(%)

101

72

101

123

116

100

88

81

86

85

86

82

資料:農業観測センター

注1:2011年9月以降(斜体)は農業観測センターによる予測値

2:平年値は2006〜2010年の5年間の最低、最高値を除いた平均値

枝肉価格は国内需要減少により弱含みで推移

 9月(23日まで)の枝肉価格は、中秋(韓国のお盆)後の需要減少により、前月比10.0%安の1キログラム当たり5,692ウォン(381円:100ウォン=6.7円(9月末TTSレート))となった。中秋以降は、同5,226ウォンと、弱含みで推移している。
 10月の価格については、季節的な需要減少があるものの、安定供給を目的とした農林水産食品部による農家への出荷要請のため出荷頭数が増加することから、前月の見通しより200ウォン(13円)下方修正の前月比6.9〜12.2%安の5,000〜5,300ウォン(335〜355円)と、見込まれる。11〜12月についても、5,000〜5,300ウォン台で推移すると予測されている。
1

8月の豚肉輸入量は前年同月比51.7%増

 2011年8月の豚肉全体(HSコード:0203)の輸入量は、無税輸入枠の拡大(6月措置)により、前月比では53.5%減となったものの、前年同月比では51.7%増の3万4158トンと、8カ月連続で前年を大きく上回った。
 このうち、冷蔵豚肉(同:020319)は、EU産の輸入が政府の航空輸送費補助などの輸入促進策により大幅に増加したことから前年同月比256.9%増の3,901トンとなった。冷凍豚バラ肉(同:0203291000)は、フランス(同725%増、3,252トン)、オーストリア(同27%増、1,422トン)、デンマーク(639%増、1,116トン)などの国が増加し、同55.0%増の1万1524トンとなった。加工原料用冷凍豚肉(同: 0203299000)についても、同34.9%増の1万9千トンと前年を大きく上回った。
 なお、今年10〜来年3月の輸入量は、輸入冷凍肉の在庫増により輸入が一服し、前年同期比3.2%減と見込まれている。
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【藤井 麻衣子 平成23年10月12日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9532