2010/11年度の酪農家収益は、前年度を7割上回る35万NZドル(NZ)

　ニュージーランド農林省（MAF）は10月4日、農家の経営状況を公表した。これによると、2010/11年度(7〜6月)における酪農家1戸当たりの現金収入は、生乳生産が増産となったことおよび乳価が前年度を2割ほど上回ったことなどから、前年度比23.0％増の115万NZドル(6991万円：1NZドル＝61円)となった。一方、現金支出は、穀物価格上昇に伴う飼料コストの増加および物価上昇から、同17.1％増の58万NZドル(3516万円)と増加した。この結果、農家収益は、35万NZドル(2106万円)と前年度に続く黒字となった。収入・支出ともに増加になったものの、収入の増加幅が支出の増加幅を上回ったことから、前年度を70.3％上回る良好な経営状況となっている。
　なお、2011/12年度の農家収益は、初期乳価(乳固形分ベース)が1キログラム当たり6.75NZドル(412円)と、例年を上回る値が提示されたことや、現時点で牧草および飼料穀物の確保が比較的容易であることから、前年度を3.9％下回るものの、5年平均を3割程度上回る32万NZドル(1969万円)と3年連続の黒字が見込まれる。

　メーカー側も良好な経営収支となっている。ニュージーランドの大手乳業会社フォンテラは9月下旬、2010/11年度(8〜7月)の決算を発表した。これによると同社の売上高は、国際乳製品価格の高騰から、前年度比18.8％増の198億7100万NZドル(1兆2121億円)と大幅な増加となった。また、経営収益(税引き後)も、前年度を12.6％上回る7億7100万NZドル(470億3100万円)と増加した。
　乳製品生産量は、アジア圏からの粉乳需要に応える形となっており、全粉乳が25.0％増の83万9千トン、脱脂粉乳が4.7％増の51万2千トンと増加した一方、チーズは7.8％減の20万2千トン、バターは5.3％減の19万5千トンと減少した。