米国農務省、トウモロコシ、大豆ともに生産予測量をわずかに下方修正

　米国農務省世界農業観測ボード（USDA／WAOB）は11月9日、11月の世界農産物需給推計の月次報告を公表した。米国における2011/12穀物年度（2011年9月〜2012年8月。以下、「2011/12年度」）のトウモロコシおよび大豆の生産量は、11月1日現在の全国作況調査を反映して、前月の予測値からそれぞれ1.0％弱下方修正された。

　トウモロコシの生産量は、前月の予測（124億3300万ブッシェル）から1億2300万ブッシェル引き下げられ、123億1000万ブッシェル（前年度比1.1％減）とされた。これは、作況調査の結果、主産地であるイリノイ州やミネソタ州において1エーカー当たりの収量が下方修正され、全国平均では1.4ブッシェル減の146.7ブッシェルとされたことによる。 これは、過去8年で最低の単収となる。
　消費量は、飼料等向けが生産量の減少とブロイラー飼養羽数の減少により1億ブッシェル下方修正されたことから総消費量も同量下方修正された。
　この結果、2011/12年度期末在庫は、前月より2300万ブッシェル下方修正され、前年度比25.3％減の8億4300万ブッシェルになると予測され、期末在庫率は6.7％となり前月より0.1ポイント低下した。
　また、生産者平均販売価格は、前月予測値を据え置き1ブッシェル当たり6.20〜7.20ドルとしている。
　今回公表された期末在庫の公表数値は、市場関係者の予想を上回ったため、9日のシカゴのトウモロコシの先物価格は、前日終値から10セントほど下げた。その後、一旦は前日終値から7セントほど上げたが、当日の引値は4.5セント安の6.56ドルとなった。

　大豆の需給見通しについては、1エーカー当たりの収量が、前月を0.2ブッシェル下回る41.3ブッシェルと予測された。この結果、生産量は前月の予測（30億6000万ブッシェル）から1400万ブッシェル引き下げられ30億4600万ブッシェル（前年度比8.5％減）とされた。
　消費量は、国内搾油向けおよび種子等向けともに据え置かれたが、輸出向けは海外からの引きが弱く5000万ブッシェル下方修正され、総消費量も同量下方修正された。これらの結果、2011/12年度の期末在庫は、前月の予測から3500万ブッシェル上方修正され、1億9500万ブッシェル（同9.3％減）としている。これにより、生産者平均販売価格は、前月の予測より下値、上値ともに1ブッシェル当たり0.55ドル下げて11.60〜13.60ドルになると予測され、9日のシカゴの大豆の先物価格は、前日の終値から19.5セント安の11.85ドルとなった。