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2011年(1〜9月)の農業生産額は、作物部門がけん引して増加(フィリピン)

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 フィリピン農務省農業統計局(BAS)は、2011年(1〜9月)の農業生産概況を公表した。これによると、農業部門全体における生産額(現行価格)は、前年同期比14%増の1兆ペソ(約2兆円:1ペソ=2.0円)と前年同期を上回った。

耕種部門の生産額は大幅増加

 農業生産額の5割以上を占める耕種部門は、同26.2%増の5752億ペソ(約1兆1504億円)と大幅に増加した。
 コメ、トウモロコシ、サトウキビなどの主要作物が昨年の干ばつによる減産からの回復により、大幅な増産となった。特にサトウキビについては生産量が同77.8%増の2024万トンとなったことから、製糖工場はフル稼働している。一部地域でエタノール向けに生産されていたサトウキビが製糖向けに転用されている模様である。
 農家庭先価格についても、食用および加工用としての白トウモロコシに対する旺盛な需要にけん引されトウモロコシ価格が上昇、また、堅調な砂糖価格を反映しサトウキビ価格も上昇した。これらの好調な価格は生産額の増加に寄与した。

家畜部門の生産額は横ばいであった一方、家禽部門は増加

 家畜部門(牛肉、水牛肉、豚肉、ヤギ肉、生乳)は同0.1%減の1528億ペソ(約3056億円)でほぼ横ばいであったが、家禽部門(鶏肉、アヒル肉、鶏卵、アヒル卵)は同2.6%増の1163億ペソ(約2326億円)と微増となった。
 家畜部門の生産額は、牛肉や生乳の生産額が増加した一方、生産の太宗を占める豚肉(同0.8%減)の生産額が落ち込んだことから、横ばいとなっている。
 牛肉については地方市場における需要が強く、生産量が増加しているものの卸売価格の下落は見られない。しかしながら豚肉については、豚飼養頭数やと畜頭数が増加により価格が下落したことから生産額は減少した。
 家禽部門の生産額の増加は、鶏肉と鶏卵の生産額が前年同期を上回ったことが主因である。鶏肉については、家庭およびファーストチェーンによる需要が堅調であったことに加え、空調設備を備えた鶏舎を持つ農家の増加により飼養羽数の増加が可能となり、このことが生産増加につながっている。鶏卵も採卵効率の上昇や新規農場の建設によって生産量が増加したことにより、生産額の伸びにつながった。
表 2011年(1〜9月)の農産物生産額、生産量、生産者販売価格
【平石康久 平成23年11月25日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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