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降雨不足によりトウモロコシ減産見通し(アルゼンチン)

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ロサリオ市場が、前年度比7.0%減の2140万トンと予測

 アルゼンチンの主要穀物取引市場であるロサリオ商品取引所は、1月13日、2011/12年度(3月〜翌年2月)トウモロコシ(第1回)の生産予測を発表した。これによると、トウモロコシ生産数量は前年度比7.0%減の2140万トンと見込まれる。これは、は種時期の降雨不足により、土壌水分が不足したことが原因とみられる。ただ、業界団体や米国農務省(USDA)は、作付面積の拡大や単収増加の期待から、前年度比26.1%増の2900万トン前後と増産を見込んでいたが、降雨不足の影響で減産見通しとなった。

  (参考)2011/12年度トウモロコシ生産は過去最高の見込み(アルゼンチン)
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降雨不足の影響について、業界団体などの評価は分かれる

 業界団体や現地農業コンサルタント会社は、12月および1月の降雨不足がアルゼンチンのトウモロコシ生産に影響を及ぼすと見ている。生産の影響の程度は、各団体で評価が分かれるものの、大幅な減産はないと見ている。サルタ州やフフイ州など北部州などでは、作付面積の約2割に当たる作付(約98万ヘクタール)が1月に行われることから、今後の天候次第では生産見通しをさらに押し上げる可能性もある。
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政府、現状では支援は見送り

 現地新聞報道によると、ジャウアール農牧漁業(MINAGRI)相は12日、農業関係者を招へいし「国家農牧緊急委員会」を開催した。同委員会では、アルゼンチン農業連合(FAA)など農牧団体が臨時支援基金の設立などを要求した。しかし、政府は現段階では、農家への支援を見送るとし、アルゼンチン国家農牧技術院(INTA)が2月上旬までに取りまとめる降雨不足の被害状況を見て、必要があれば対応策を検討することとした。ソリス農牧漁業次官は、「降雨不足の影響による生産量の影響は小さくないとしながらも、2008/09年度の深刻な状況までには落ち込まないとした。
【石井 清栄 平成24年1月20日発】
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