輸入混合食品、新たに規制対象に(EU)
欧州委員会は、2012年1月11日に「輸入及び域内を流通する特定混合食品の認証」に関する規則を改正した。
これは、従来混合食品のEU向けの輸入に関して、衛生規則の経過措置が適用されていたが、部分的に特例を廃止したものである。
EUにおける食品の安全は、「食品法の一般原則と要件規則」(178/2002)および「全ての食品・動物用飼料に関する検査当局・公的検査に関する規則」(882/2004)に基づき、規制されている。これらの規則の下に、(1)「一般食品衛生規則」(852/2004)、(2)「動物由来食品特別衛生規則」(853/2004)、(3)「動物由来食品特別公的統制規則」が規定されている。
EUの食品安全法規の特徴は、動物由来食品と非動物由来食品を区別して規制しており、動物由来食品はより厳格な規制となっている。
輸入食品に対しても同様であり、特に、動物由来食品の輸入は、「動物由来食品特別衛生規則」が適用され、EUと同等以上の食品の安全性の確保が要求される。EU向けに動物由来食品を輸出するためには、EUが要求する基準(HACCPなど)の水準を満たしている国、施設であってEUが規定する衛生条件を満たし認証を受ける必要がある。また、輸入動物由来食品は、国境検疫局において公認獣医師による獣医学的検査の受検が義務付けられている。
今回の改正は、「動物由来食品特別衛生規則」の適用外であった混合食品 (composite products)にも輸入する際には、当該規則が適用されるものである。
混合食品とは、植物由来原料と動物由来原料の両方を含有するものである。例えば、ケーキやクッキーなどが該当する。今回の適用原料対象は、動物由来原料の含有量が50%以上である。
この改正により、EU向け混合食品は、動物由来食品と同様にEUが規定する衛生水準を満たし第三国として登録が必要となる。混合食品で使用される原材料の乳製品はEUが認可した施設からのものであること、獣医学的検査が必要であること、併せて衛生証明書が要求されることになる。
なお、日本は、EU・HACCPに認定・登録された施設がなく、第三国リストに載っていないため、食肉および乳製品などの食品の輸出は現在認められていない。
この規則は、2012年3月1日から適用され、乳製品用の証明書は、2012年の2月29日までに欧州委員会から提示される予定である。
【矢野 麻未子 平成24年1月27日発】
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