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米国農務省、2011年産トウモロコシの期末在庫見通しを下方修正

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 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は2月9日、2月の世界農産物需給推計の月次報告を公表した。米国における2011/12穀物年度(穀物年度は9月〜翌年8月。以下、「年度」)のトウモロコシと大豆の生産情報については、すべて前月の予測値が据え置かれた。今回の報告では、トウモロコシは輸出増により期末在庫が4500万ブッシェル下方修正されたが、大豆は消費情報についても据え置かれた。

トウモロコシは輸入を500万ブッシェル、輸出を5000万ブッシェル上方修正

 トウモロコシの需給予測については、直近四半期の貿易レポートの輸入増の実績を反映して輸入予測量を前月の値から500万ブッシェル引き上げた。一方、輸出量については、輸出競合国アルゼンチンの高温乾燥の天候による減産を反映して5000万ブッシェル引き上げた。その結果、期末在庫が8億4600万ブッシェルから4500万ブッシェル引き下げられて8億100万ブッシェルとしている。これにより在庫率(期末在庫/総消費量)は前月の6.7%から6.3%となった。生産者平均販売価格は、中央値に変わりはないが、下値を前月の値から1ブッシェル当たり0.10ドル上げ、上値を同0.10ドル下げて同5.80〜6.60ドルになると予測している。
 今回の在庫減少の報告を受けてシカゴのトウモロコシの先物価格は、公表直後に0.10ドルほど値を上げたが、在庫の減少幅は市場関係者の予想をわずかに上回っていたことから徐々に値を下げて、2月9日の期近物終値は前日比0.05ドル安の6.37ドルで引けた。

大豆の需給予測は前月の数値を据え置く

 大豆の需給予測については、輸出競合国ブラジルが高温・乾燥の天候により生産量・輸出量ともに下方修正されているものの、USDAは米国の需給予測値を前月の値にすべて据え置いた。ただし、生産者平均販売価格は、中心値に変化はないものの、下値を前月の値から1ブッシェル当たり0.15ドル上げ、上値を同0.15ドル下げて同11.10〜12.30ドルになると予測した。このUSDAの在庫予測は、市場関係者の予想範囲内であったことから、シカゴの大豆の先物価格は、公表直後は0.15ドルほど上ぶれしたものの徐々に値を下げて9日の終値は前日比0.04ドル安の12.27ドルとなった。

 2012/13年度の需給予測は、2月23・24日に開催されるUSDAの2012年農業観測会議で最初に示される。このUSDA/WAOBの世界農産物需給推計の月次報告で示されるのは5月の報告時からとなる。2011/12年度の在庫が記録的な少なさの中、生産者販売価格が記録的な高値で推移していることから2012/13年度の作付は大幅に増え、トウモロコシの生産量は大きく伸びることが予想される。
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【中野 貴史 平成24年2月10日発】
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