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2011年の牛肉輸出は金額ベースで増加(ウルグアイ)

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金額で前年比18.9%増

 世界第7位の牛肉輸出国であるウルグアイは、国土面積約18万平方キロメートルと南米では最も面積が小さく、農用地は14万平方キロメートル(20009年現在)である。放牧地(羊との複合経営を含む)はこのうち95%近くを占める13万2000平方キロメートルで、飼養頭数の7割を占めるヘレフォード種を中心に約1100万頭が飼育されている。
 ウルグアイ牛肉協会(INAC)によると、2011年の牛肉輸出(枝肉ベース、牛肉製品を含む)は、数量で前年比7.2%減の約34万トンとなった。これは、2008〜09年の熱波による影響で、繁殖雌牛の受胎率が50%程度(例年60〜70%)となったことから、2011年のと畜頭数が前年比8.8%減の約201万頭と減少した影響が大きい。しかし、世界的に牛肉需要の増加が続く中で、輸出単価が上昇したことから、金額は同18.9%増の約13億4400万ドル(約1061億7600万円、1ドル≒79円)となった。
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個体識別制度などにより各輸出先の数量回復が目標

 INACによると、ウルグアイの今後の牛肉輸出促進策として、2011年6月以降、全頭を対象としている個体識別制度の確立と品種改良などによる牛肉の品質向上などにより、輸出額の50%以上を占めるEU・ロシアも含め80カ国以上ある輸出先の信頼を確保し、数量を回復したいとのことであった。中期的な数値目標としては、2004年の実績である40万トン程度としている。
 また、日本・韓国も将来的な輸出市場として挙げている。現在のところ、対日向け輸出は、加熱処理肉に限られ認定工場は5カ所のみであるが、マルフリグ社(ブラジル資本)の1工場が、日本向けにビーフジャーキーを輸出する準備を進めている。同社によると、2006年に設置されたジャーキーの製造能力は、1月当たり最大で85トンである。ただ、現在のところ対日向け加熱処理肉の輸出は、価格面で折り合わないことなどから、実績はわずかに留まっている。  
 なお、ウルグアイの2011年のビーフジャーキーなど牛肉製品の輸出量は、主に米国やEU向けに前年比7.5%増の1万8000トンとなった。
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中長期的にはフィードロット肥育による集約的肉用牛生産も検討

 ウルグアイが牛肉輸出の回復を目指す中で、現在同国では、輸出が好調な大豆など農作物の作付面積などが拡大している。中長期的には放牧地が減少し、牛肉生産に影響が出る可能性がある。生産の拡大を図るためには、現在は一部の先駆的農場で、冬季を中心(3〜10月)に行われているフィードロット肥育による集約的な肉用牛生産の定着が考えられる。
【石井 清栄 平成24年2月24日発】
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