FAO: 世界の食料価格指数は、2カ月連続で上昇
最終更新日:2012年3月14日
国連食糧農業機関(FAO)が3月8日に発表した2月の食料価格指数(注)は、前月から2.4ポイント、1.1%上回る215.3ポイントとなった。同指数は、2011年7月以降、ほぼ下落基調で推移していたが、2012年1月以降2カ月連続で上昇した。(図1)
牛乳・乳製品を除き、砂糖、油脂、穀物および食肉は上昇
FAOの発表によると、牛乳・乳製品を除くすべての品目が前月から上昇した。
最も大きく上昇したのは砂糖で、世界最大の生産・輸出国であるブラジルが熱波に見舞われたことから、前月から8.0ポイント上昇し342ポイントとなった。(図2)
次いで油脂は、前月から5.0ポイント上昇して239ポイントとなった。これは、パーム油の生産量の伸び悩みに加え、大豆油の生産見通しが低下している一方で、植物油の堅調な需要が見込まれることによるものである。
また、穀物は、世界の小麦需給のひっ迫、ヨーロッパやウクライナ等独立国家共同体(CIS)の大寒波による穀物の減産懸念、アジアからのトウモロコシ高需要などによる小麦およびトウモロコシの国際価格の上昇により、前月から4.4ポイント上昇し227ポイントとなった。
食肉は、香港の強い豚肉需要などにより、前月(修正後)からわずかに上昇の175ポイントとなった。(図2)
一方、牛乳・乳製品は、ニュージーランドをはじめとする主な輸出国で十分な生産が見込まれることによる脱脂粉乳およびカゼイン相場の下落を受け、前月からわずかに減少の205ポイントとなった。
注:FAOの食料価格指数(Food Price Index)は、穀物、油脂、牛乳・乳製品、砂糖および食肉の国際価格について、2002〜2004年を100とし、食品全体の平均価格を指数化したものである。
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