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韓国の牛乳・乳製品需給の現状と今後の見通し(2012年2月現在)

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 韓国農村経済研究院(KREI)農業観測センターが2月25日に公表した2012年3月号の畜産観測(乳牛編)に基づき、韓国の牛乳・乳製品需給の現状と今後の見通しを報告する。

乳用牛飼養頭数は緩やかに増加

 2011年12月の乳用牛飼養頭数は、40万4千頭(前年同月比6.0%減)、飼養農家戸数は、6100戸(同3.2%減)といずれも9月から横ばいとなった。このため、1戸当たり飼養頭数は前年同期から1.8頭減少し、66.5頭となった。
 韓国では昨年8月16日、基本乳価が3年ぶりに改定され、1リットル当たり834ウォン(約62円:2月末TTSレート100ウォン=7.41円で計算)となった。これに伴い、乳質によって基本乳価に上乗せされる乳質加算も見直された。特に、出荷量の3割を占める体細胞数20万〜35万未満の生乳に対する加算額が同47ウォン(約3円)に引き上げられたため、酪農家の生産意欲は増大している。
 また、酪農家の生産意欲増大は、乳用牛の導入需要を高めている。12月の初妊牛価格は前年同月から44.1%高の419万ウォン(約31万円)となり、依然として高い水準で推移している。
 一方で、老廃牛のとう汰が遅れているため、乳用牛の導入は思うように進んでいない。KREIは、乳牛飼養頭数は今後緩やかに増加すると見ており、3月は、40万5千〜40万7千頭、6月は、40万7千〜40万9千頭になると予測している。このペースの増加率では、口蹄疫発生前の水準に回復するには時間を要するものとみられる。
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2011年の生乳生産量は14年ぶりに200万トンを下回る

 2011年第4四半期(10〜12月)の生乳生産量は、前期比1.3%増の47万5千トンとなった。しかし、2011年通年では188万9千トン(前年比8.9%減)となり、1997年以来14年ぶりに200万トンを下回ることとなった。
 ただし、今後は、飼養頭数の増加と生乳生産割当量(クオータ)の拡大により、生乳生産量の増加が見込まれ、2012年第1四半期(1〜3月)は48万8千〜49万3千トン(前年同期比6.6〜7.6%増)、第2四半期(4〜6月)は51万1千〜51万6千トン(同4.9〜6.0%増)となる見通しである。KREIは、昨年末に人工授精の申し込みが増加したことから、2012年下半期に経産牛頭数も増加し、生乳生産量は大幅に改善すると見ている。

2011年の乳製品輸入量は前年から5割増加

 主要乳業メーカーは、基本乳価の引上げに伴い、11月から牛乳の小売価格を1リットル当たり138ウォン(約10円)引上げた。このため、一部では買い控えが起こり、12月の一世帯当たり牛乳消費量は5.5kg(前年同月比5.6%減)となった。しかし、2011年通年の牛乳・乳製品の消費量は増加し、351万8千トン(生乳換算、前年比10.7%増)となった。
 2011年の乳製品輸入量は、生乳生産量が減少したため、171万3千トン(生乳換算、同50.9%増)と大幅に増加した。この背景には、価格安定のために粉乳類、バター、チーズ等の乳製品については無税での輸入が許可されたことがある。これらの無税枠は当初、12月末の期限付きで設定されたため、12月は駆け込みで輸入量が増加している。特に国内価格の高騰が著しかった脱脂粉乳は輸入量が大幅に増加し、2011年は同4.2倍の3万3千トンとなった。主な輸入先国は、ドイツ(シェア34%)、豪州(22%)およびオランダ(16%)である。なお、乳製品の無税枠は現在、今年の6月末まで期限が延長されている。
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【木下 瞬 平成24年3月20日発】
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