韓国の牛肉需給の現状と今後の見通し(2012年3月現在)
韓国農村経済研究院(KREI)農業観測センターが2月27日に公表した2012年3月号の畜産観測(肉用牛編)および韓国貿易統計に基づき、韓国の牛肉需給の現状と今後の見通しを報告する。
2012年上半期の総飼養頭数は、2011年並み
牛の総飼養頭数は、2011年9月が304万頭(前年同月比3.2%増)、12月が295万頭(同1.2%増)と、前年を上回った。また、2011年12月〜2012年2月の子牛生産頭数(出生頭数)は増加したものの、同期のと畜頭数も大幅に増加したことより、2012年3月は前年12月と比べて1.5%減の291万頭となった。
国内の牛肉市場規模からみると250万頭が 国内飼養頭数の適正水準としているが、子牛生産頭数の増加がと畜頭数の増加を上回るため、2012年6月の総飼養頭数は、304万頭と3月と比べて4.7%の増加が見込まれる。
在庫不足により2等級以下の卸売価格は上昇
2011年の牛肉購入量は前年比6.6%増の1.48kgで、特に口蹄疫が沈静化した4月以降は前年比8.6%増と増加した。農協および全国韓牛協会が取り組んだ消費拡大のための活動や量販店の割引販売などが実を結んでいる。
2012年2月の牛肉卸売価格(枝肉ベース)は、1++等級はキログラム当たり17,198ウォン(前年同月比2.7%安 約1,274円 100ウォン=7. 41円(2月末TTSレート))、1+等級は同15,491ウォン(同1.9%高 約1,148円)、1等級は同14,008ウォン(同1.9高 約1,038円)と、最高級ランク以外は前年を上回った。下等級については、正月以降も量販店による割引販売が継続して行われたことによる在庫不足で、卸売価格が強含んだ結果となった。
2011年牛肉輸入量は、前年比17.8%増
2011年の牛肉全体(HSコード0201および0202)の輸入量は、前年比17.8%増の307,610トンとなった。主な輸入先国は、豪州(152,722トン)と米国(115,334トン)で全体の87%を占めた。輸入牛肉の在庫増加により、3〜5月の輸入量は前年同期よりも減少する見込みである。
冷凍牛肉の各部位(骨付きショートリブ、骨付きその他、骨なし)の2011年の輸入量は、骨付きその他24,958トン(同5.6%減)で減少し、骨付きショートリブ85,853トン(前年比28.05%増)、骨なし149,816トン(同19. 22%増)は大幅に増加した。
【植田 彩 平成24年3月29日発】
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