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EU:飼料高の影響など受け、繁殖母豚頭数前年比3.6%減

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2011年11〜12月時点の繁殖母豚頭数、前年比3.6%減

 EU各加盟国で実施された豚の飼養動向調査の結果によると、EUの豚肉生産上位7カ国(合計で域内生産の約8割を占める)における2011年11〜12月時点の繁殖母豚頭数は983万頭と、前年と比べ3.6%減少した。一方で、総飼養頭数は前年比1.2%減の1億1380万頭と、減少率は繁殖母豚に比べ小幅にとどまった。これは、1母豚当たりの年間出生頭数の増加など生産性の向上により、繁殖母豚頭数の減少の影響が相殺されたためとみられる。
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飼料価格の高騰が養豚経営を圧迫

 英国の農業・園芸開発委員会(AHDB)は、繁殖母豚頭数が減少した要因として、2010年後半以降の飼料価格高騰による養豚経営の収益性低下を挙げている。飼料費は生産コストの約5割を占めるとされる。世界的な穀物価格の高騰を背景にEUの豚用飼料価格は2010年7月以降急激に上昇した。2011年4月には1トン当たり295ユーロ(約3万3040円:1ユーロ=112円)と、前年同月を4割上回る水準にまで達した。その後、穀物価格の下落を受け、EUの豚用飼料価格も下落に転じたものの、高い水準で推移した。2012年2月の豚用飼料価格は、干ばつにより南米の穀物生産が不安視されたことなどを受け再び上昇に転じており、養豚経営への影響が懸念されるところである。
 また、2013年1月1日に施行されるアニマルウェルフェアの新規則により、繁殖母豚のストール飼いが禁止されることも頭数減少の要因の一つとして指摘されている。新規則に適合するためには、豚舎の改装など新たな投資が必要となることから、離農や経営規模の縮小を選択する養豚家も多いとみられている。
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【日高 千絵子 平成24年3月29日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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