米国トウモロコシ、作付拡大の見通しが発表されるも、在庫減少により相場は反発
米国農務省(USDA)は3月30日、2012年の穀物等の作付面積を公表。2012年のトウモロコシの作付面積は、好調な相場を反映し、前年を約4百万エーカー上回る95.9百万エーカーとなる見通し。なお、この数値は、農家の作付意向に関する報告に基づくものである。
同日、3月1日時点のトウモロコシ在庫が発表された。在庫水準が市場関係者の予想を下回ったため、トウモロコシの先物価格は反発し、一部ストップ高となった。
トウモロコシの作付面積は75年ぶりの高水準
2012年のトウモロコシ作付面積は、前年を4.3%上回る9586万4000エーカーの見通しである。実現すれば、1937年(9720万エーカー)以来の高い水準となる。他方、競合する大豆の作付面積は、前年を1.4%下回る7390万2000エーカーと見込まれている。トウモロコシの収益性が大豆より高いことから、トウモロコシに対する農家の作付意欲が高まっている。
トウモロコシの作付を増やした主な州は、アイオワ州、ミネソタ州、ネブラスカ州、ノースダコタ州およびサウスダコタ州であり、計302万エーカー増となっている。これらの州では作付にとって良好な天候が続いているが、一部地域では乾燥状態との情報もあることから、今後の作付・生育状況が注目される。
3月1日時点のトウモロコシ在庫は市場関係者の予想を下回る
同日公表の穀物在庫統計において、2012年3月1日時点のトウモロコシ在庫は前年同時期を7.9%下回る60億9百万ブッシェルとされた。2011/12穀物年度の期末在庫(2012年8月末)は801百万ブッシェルと見込まれているが、3月1日時点の在庫水準を踏まえて、今後、下方修正される可能性が高まった。在庫量が市場関係者の予想を下回ったことなどから、3月30日のシカゴのトウモロコシの先物価格は反発し、5月限はストップ高(40セント高)となった。
【上田 泰史 平成24年4月2日発】
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