2011/12年度の生産量予測を前月に引き続きトウモロコシは上方修正、大豆は下方修正(ブラジル)
ブラジル食糧供給公社(CONAB)は4月10日、2011/12年度(10月〜翌9月)の主要穀物生産動向調査報告(第7回)を発表した。これによると、生産量は、前回発表(3月8日発表)よりもトウモロコシが上方修正、一方、大豆は下方修正となった。トウモロコシは前年度比13.5%増の6514万3700トン、大豆は同12.9%減の6560万3000トンとなった。今回予測された生産量は、トウモロコシが過去最高、大豆が過去6年間で第2番目に大きい。
(参考)2011/12年度の生産量予測をトウモロコシは上方修正、大豆は下方修正(ブラジル)
トウモロコシ:第2期作の生産が好調
トウモロコシの第1期作は、作付面積が前年度比8.1%増の858万300ヘクタールとなったものの、主要生産地の南部がラニーニャによる干ばつの影響を受けたため、単収が同7.2%減の1ヘクタール当たり4.2トンとなり、生産量が同0.6%増の3612万5200トンと予測された。 第2期作の作付面積は、第1期作の南部の大幅な減産予測や、好調な価格を受け、同20.1%増の707万1300ヘクタールと大幅に増加した。主要生産州で天候に恵まれたこともあり、単収が同12.5%増の1ヘクタール当たり4.1トンとなる見通しである。生産量は前回の予測よりも15.1ポイント上方修正され、同35.1%増の2901万8700トンと予測された。特に、第2期作の生産量の約4割を占めるマットグロッソ州では、作付面積が同38.8%増の254万8800ヘクタール、単収が同6.3%増の1ヘクタール当たり4.2トン、生産量は同47.6%増の1070万5000トンと予測され、大幅な増産が期待されている。
大豆:収穫のピークを迎える
主要生産地である中西部および南部で大豆の収穫が進んでいる。2012年3月末時点で大豆の総生産量の3割強を生産するマットグロッソ州を含む中西部は、収穫が作付面積の93.3%で終了(1月:6.3%、2月:49.7%、3月:37.4%)、第2の生産規模のパラナ州を含む南部は、作付面積の66.5%で収穫が終了した(1月:1.7%、2月15.2%、3月:49.6%)。全国的には、4月までに96.5%の収穫が終了するとみられている。
マットグロッソ州は、作付面積が前年度比8.3%増の692万9900ヘクタールに増加したものの、単収が同2.2%減の1ヘクタール当たり3.120トンとなり、生産量は2162万1300トンと予測された。単収の減少要因としては、2011年11月から2012年1月に多雨となった結果、アジアサビ病が発生したことが挙げられる。
南部では、大豆の生育期にラニーニャによる干ばつによって単収が同38.1%減となったことによって、生産量は同38.4%減の1757万4400トンと予測された。
【岡 千晴 平成24年4月13日発】
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