8年ぶりに、タイ産鶏肉解禁へ(EU)
EU加盟国は、タイ産鶏肉の解禁を支持した。7月に解禁の見通し。
タイの衛生対策を高評価、欧州委員会
EUは2004年1月、タイにおける高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)の発生に伴って、タイ産鶏肉(加工調整品を除く、以下同じ)を輸入禁止。
輸入禁止措置以降、欧州委員会は数次に渡ってタイにおける家きんの衛生対策を評価した。10年12月、タイ政府からの輸入解禁要請に応じ、11年3月に最終評価を行った。欧州委員会は当該評価結果に基づき、タイ産鶏肉がEUの輸入条件を満たすと結論付けた。
EU加盟国は4月3日、欧州委員会が取りまとめた「タイ産鶏肉の輸入解禁」を支持。7月に解禁する見通しである。解禁が実現すれば8年ぶりとなる。
今年は5万トンの見通し
タイ産鶏肉のEUの輸入量は、ドイツ、オランダ、英国を中心に、02年が8万トン、03年が10万トン。HPAIが発生した04年以降は輸入実績なし。解禁が実現すれば、12年は5万トン程度の輸入するものとみられている。
日本へも解禁圧力を強める
日本は04年、タイ産鶏肉の輸入禁止。EUがタイ産鶏肉の解禁に踏み切ると、今後、我が国に対しても、輸入解禁の圧力を強めるものと考えられる。
解禁した場合、近年の消費者の低価格志向を背景に鶏肉消費が増加している中で、現地価格が高止まりするブラジル産鶏肉からタイ産へ大きくシフトするものとみられる。
【新川 俊一 平成24年4月16日発】
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