米国トウモロコシ、作付けは例年を大幅に上回るペースで進む
米国農務省(USDA)が発表した5月7日の「Crop Progress」によると、主要18州におけるトウモロコシの作付けは例年を大幅に上回るペースで進んでおり、5月6日時点で既に約7割の作付けが終了している。
作付け当初は土壌水分の不足などが指摘されていたが、4月後半の降雨により状況は改善され、良好な環境で作付けが進んでいる。
順調なトウモロコシの作付け
今年のトウモロコシの作付けは、春先の天候に恵まれたことから、5月6日時点で、作付進捗率71%と、過去5年平均の47%を大幅に上回るペースで進んでいる。特に、全米第2位のトウモロコシ生産量を誇るイリノイ州では、既に約9割の作付けが終わっている。
トウモロコシの主産地であるコーンベルト地帯の一部では、昨年から続く乾燥気候による土壌水分の不足が心配されていたが、4月後半の降雨により、トウモロコシの生育にとって望ましい環境が整いつつある。また、気温低下により霜が降りることもあったが、現段階で大きな被害は認められていない。
早い作付けのメリット
作付け時期と単収の間に明確な関係があるわけではないが、早い段階で作付けが終了すれば、一般的に(1)単収の出来を左右する受粉の時期が前倒しとなり、最も暑い期間(7月下旬から8月上旬)を避けることができる(2)9月の早霜が及ぼす被害を抑えることができる−−等のメリットがあると言われている。
トウモロコシの2012年作付面積は、75年ぶりの高い水準となる見込みである。単収が、USDAの予測通り1エーカー当たり164ブッシェルとなれば、生産量の大幅な増加により、ひっ迫している需給は緩む可能性がある。今後のトウモロコシの生育状況が注目されるところである。
【上田 泰史 平成24年5月9日発】
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