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2011/12年度の農業・畜産経営状況は、2年連続で収益プラスの見込み(豪州)

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 豪州農業資源経済科学局(ABARES)は4月30日、農業経営状況調査「ファームサーベイ」を公表し、2011/12年度(7月〜翌6月)農業・畜産別の経営状況見通しを報告した。
 この調査では、経営類型ごとに農家を抽出して経営状況を分析している。対象は農作物・畜産経営農家と酪農経営農家の2つに大きく区分され、前者はさらに、農作物経営(小麦主体)、農作物・家畜複合経営、肉牛経営、羊経営、羊・肉牛複合経営の5つに区分されている。
 これによると、2011/12年度の農家収益は、干ばつの影響による2009/10年度の赤字から回復し、すべての経営類型で前年度に引き続き、2年連続の黒字が見込まれることがわかった。
 

肉牛経営は肉牛価格の上昇、飼養頭数増から収益は3倍超に増加

 ABARESによると、肉牛経営では肉牛販売頭数の減少が見込まれるものの、生体牛価格の上昇が現金収入の増加につながり、25万豪ドル(2150万円:1豪ドル=86円、前年度比5.4%増)とみられている。
 現金支出は、燃料費や修繕費などの増加が見込まれるものの、生体牛の上昇による素牛導入頭数の減少から肉牛購入費の大幅減が見込まれること、牧草の生育状況の改善による飼料購入費の減少が見込まれることなどから、支出の上昇は抑えられることから、18万4千豪ドル(1582万円、同6.6%増)とみられている。
 このことから、農家所得は6万7000豪ドル(576万円、同13.4%増)と見込まれている。さらに、豪州では干ばつによる飼養頭数の減少がみられていたものの、2011/12年度は豪州全域の農家で飼養頭数が増加し、これが流動資産の増加につながることから、農家収益は3万3000豪ドル(284万円、同247.4%増)となり、前年度から3倍超の収益が見込まれている。

酪農経営は乳価下落が農家収益に影響

 酪農経営については、豪州南部を中心に生乳生産の増加が予測されているにもかかわらず、現金収入は56万3000豪ドル(4842万円、同2.2%減)と見込まれている。これは、乳価の下落によるものであり、タスマニア州を除いたすべての州で、現金収入の減少が見込まれたためである。
 現金支出をみると、肉牛経営と同様に飼料購入費の減少、自給飼料の増加による肥料代の増加から、42万7000豪ドル(3672万円、同1.8%減)にとどまるとみられる。
 この結果、農家収益は4万4000豪ドル(378万円、同36.4%減)となり、前年度と比べ大幅な減少が見込まれている。

農作物経営は、増産の西オーストラリア州でコスト増

 農作物経営の農家収益でも8万5000豪ドル(731万円、前年度比49.1%減)と、前年度と比べ大幅な減少が見込まれている。これは、肥料や燃料など資材費が増加するとみられることに加え、2011/12年度の小麦生産量が前年度から2倍以上の増産となった西オーストラリア州で収穫や販売の経費が増加し、現金支出の増加(同6.6%増)が見込まれることなどが影響するとみられている。
【伊藤 久美 平成24年5月9日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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