米国農務省、2012/13年度産の米国トウモロコシ生産量は過去最高を予測
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は5月10日、2012/13穀物年度(2012年9月〜2013年8月)における国内外の主要農作物の需給見通しを公表した。これによると、米国におけるトウモロコシの生産量は、前年を大幅に上回り過去最高を記録すると予測された。
トウモロコシの生産量は過去最高と予測
米国における2012/13年度のトウモロコシ生産量は、作付面積と単収の増加により、過去最高となる前年度比19.7%増の147億9000万ブッシェルと予測された。単収は、1990〜2010年までの傾向を基に、現在の順調な作付状況を考慮し算出された予測値として、前年度を12.8%上回る166ブッシェルと見込まれている。作付予測面積は、3月末の作付意向調査の結果を受け、前年を4.4%上回る9590万エーカーと見込まれている。
また、2012/13年度のトウモロコシ総消費量は、前年を8.9%上回る137億7500万ブッシェルと予測された。これは飼料向けや甘味料等の食品向け、輸出向けの増加によるものである。特に飼料向けについては、豚・ブロイラー生産量の増加を見込み、前年比を19.7%上回る54億5000万ブッシェルと予測された。
期末在庫量は、前年を大幅に上回る18億8100万ブッシェルと予測された。これにより、期末在庫率は前年度の6.7%から13.7%に上昇する。
また、需給の緩和が見込まれることから、生産者平均販売価格は、前年度(ブッシェル当たり5.95〜6.25ドル)を大幅に下回る4.2〜5.0ドルになると予測された。
今回のUSDAの発表で、2011/12年度トウモロコシの期末在庫が上方修正されたことから、シカゴのトウモロコシの先物価格(5月)は、前日比15.75セント安の625.5セントで引けた。
大豆は生産量が増加するも在庫量が減少
2012/13年度における米国の大豆生産量は、作付面積と収穫面積が減少するものの単収が増加したことにより、前年度を4.9%上回る32億500万ブッシェルと予測された。
大豆総消費量については、前年度を6.8%上回る32億8500万ブッシェルと予測された。用途別に見ると、国内搾油向けが1000万ブッシェル増えて16億5500万ブッシェルとなり、輸出向けが南米の干ばつによる減収や中国の需要増加により、前年度を14.4%上回る15億500万ブッシェルと予測された。
消費量が増加したことから、期末在庫は、前年度より6500万ブッシェル減(前年度比31%減)と予測された。これにより、期末在庫率は前年度の6.8%から4.4%。に低下する。また、ブッシェル当たりの生産者平均販売価格は、12.00〜14.00ドルになると予測された。
今回のUSDAの発表において、2011/12年度産の大豆の期末在庫量が引き下げられたことから、シカゴの大豆の先物価格(5月)は前日比24.5セント高の1452.25セントで引けた。
【山神 尭基 平成24年5月11日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9532