ブラジル、2011/12年度産のトウモロコシ、大豆の生産量予測をともに上方修正
ブラジル食糧供給公社(CONAB)は5月10日、2011/12年度(10月〜翌9月)の主要穀物生産動向調査報告(第8回)を発表。生産量は、トウモロコシが前年度比14.8%増の6590万3700トン、大豆が同11.5%減の6668万2300トンと予測された。前回(4月10日発表)に引き続きトウモロコシは上方修正され過去最高、大豆は3カ月連続の下方修正から、わずかに上方修正され、過去6年間で2番目に多い予測値となった。
(参考)2011/12年度の生産量予測を前月に引き続きトウモロコシは上方修正、大豆は下方修正(ブラジル)
トウモロコシ:は種面積および生産量が過去最高に
2011/12年度産トウモロコシについて、作付面積は前年度比11.9%増の1545万1600ヘクタール、単収は同2.6%増の 1ヘクタール当たり4.3トン、生産量は同14.8%増の6590万3700トンと予測された。作付面積および生産量の予測値が実現されれば、ともに過去最高となる。
ブラジルでは、トウモロコシの栽培は第 1 期作(夏作)と大豆の裏作として生産される第 2 期作(冬作)の年 2 回行われる。
第1期作は、収穫がほぼ終了しており、南部を中心にラニーニャによる干ばつの被害を受けたものの、好調な価格により、パラナ州などの主要生産地の作付面積が拡大されたため、前年度比0.6%減の3572万6400トンとわずかな減産にとどまった。
第2期作は、好調な価格と第1期作の減産予測を理由に、作付面積が同21.7%増の716万9700ヘクタールと大幅に拡大した。単収も同15.4%増の1ヘクタール当たり4.2トンとなり、生産量は同40.5%増の3017万7400トンと予測された。多くが1月末〜3月中旬のは種に適した時期に作付されたことに加え、天候にも恵まれたことから生産は順調で、現在、受粉期を過ぎた段階にある。一部、遅れては種された地域では5〜6月の降霜の影響を受ける可能性が懸念されている。
大豆:生産量予測をわずかに上方修正
2011/12年度産大豆について、作付面積は前年度比3.5%増の2501万8600ヘクタール、単収は同14.4%減の1ヘクタール当たり2.7トン、生産量は同11.5%減の6668万2300トンと予測された。
主要生産地である中西部および南部で大豆の収穫は終盤を迎えている。大豆に関しても、南部のリオグランデドスル州では生産量が前年度と比較して4割減となるなど、ラニーニャの影響を受けた。一方、大豆生産の約3割を占めるマットグロッソ州は、単収が同2.2%減の1ヘクタール当たり3.1トンとわずかに減少したものの、作付面積が同8.6%増の694万9100ヘクタールとなったことから、生産量は同6.2%増の2168万1200トンと予測された。
(参考)アルゼンチンは干ばつの被害を受け、トウモロコシと大豆共に減産予測
ブラジル南部と同様に、アルゼンチンの2011/12年度の穀物主生産も干ばつの被害を受けた。ブエノスアイレス穀物取引所によると、トウモロコシは前年度比14.3%減の1980万トン、大豆は同18.7%減の4100万トンと予測された。
5月10日時点で、トウモロコシはは種面積の49.2%、大豆は73.4%で収穫が終了している。
【岡 千晴 平成24年5月14日発】
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