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韓国豚肉需給の現状と今後の見通し(2012年4月現在)

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 韓国農村経済研究院(KREI)農業観測センターが4月25日に公表した2012年5月号の畜産観測(豚編)に基づき、韓国の豚肉需給の現状と今後の見通しを報告する。

2012年6月の飼養頭数は930〜940万頭

 繁殖用母豚の無税枠の設定により口蹄疫(FMD)発生前の水準まで母豚頭数が回復しつつあることから、2012年3月の豚の飼養頭数は、2011年12月比約8.3%増の855万頭であった。3か月毎の今後の予測では、引き続き母豚数の増加が持続されるため、6月は前回の見通しから40万頭上方修正の930〜940万頭(3月比5.1〜6.2%増)と見込まれる。これらは、FMDの被害が比較的小規模であった地域(忠清南道など)の頭数増加に加え、被害の大きかった地域(京畿道など)においても経営の再開が進んだことが一因である。9月には960〜970万頭(6月予測比3.2%増)と、FMD発生以前の水準に近づく見通しである。
 

5月以降のと畜頭数はFMD発生前より増加見込み

 2012年3月のと畜頭数は、前月比6.4%増、前年同月比23.2%増の117万頭となった。5〜10月のと畜頭数は、飼養頭数の回復から増加前年同期比42.9%増の739万頭と見込まれる。
 

5月の枝肉価格は1キログラム当たり4,400〜4,600ウォンの見通し

 4月の枝肉価格は、前月比4.0%高の1キログラム当たり4,171ウォン(322円:100ウォン=7.73円)となった。
 豚肉需要の不振が継続しており、4月24日に米国で発生したBSEの影響も、5月11日の政府による安全宣言を受け、豚肉への代替需要は一時的であった。夏に向けて各種野外行事が多くなる需要期にもかかわらず、需要は前年より7割以下となる見込みから、5月は4,400〜4,600ウォン、6月は4,600〜4,800ウォンと予測される。
 7月〜8月の枝肉価格は、国内産豚肉の供給量増加の影響により6月を200ウォン下回る4,200〜4,600ウォンと見通されている。
 9月〜10月の枝肉価格は、国内産豚肉の供給量増加に加え、需要減少期のため3,200〜3,500ウォンと見通されている。
 

2012年第1四半期の輸入量は前年同期比48.5%増

 2012年の第1四半期(1−3月)の豚肉輸入量(HSコード:0203)は、前年同期比48.5%増の11万8,096トンとなった。輸入の国別シェアは、米国(36,402トン)、カナダ(17,591トン)、ドイツ(13,924トン)、チリ(9,178トン)で全体の65%を占めている。
 この輸入量の大幅な増加は、2012年の第1四半期における7万トンの無税枠追加措置によるものである。
 豚肉の消費不振が続く中、豚肉の在庫が増加しており、3月の在庫数量6万5千トンのうち、輸入品の占める割合は、46%と前月より5.3ポイント増加している。
 また、国内の豚肉在庫の増加により5〜10月の輸入量は前年同期より34%減少し、12万トン前後になると予測されている。
 2012年3月15日に、韓国と米国の間で自由貿易協定(FTA)が発行されたが、国内需要の高い、冷蔵バラ肉(HSコード 0203191000)は10年間かけて関税を削減(セーフガード措置)、米国からの輸入の大半を占める加工用冷凍豚肉(HSコード0203299000)は、2016年1月に関税撤廃となるため、今後の輸入動向が注目される。
 
 
【宗政 修平 平成24年5月22日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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