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ブラジル農務省が農業生産に関する2021年度までの長期予測を発表

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 ブラジル農務省戦略管理室(AGE/MAPA)は4月、ブラジル農畜産業の展開方向を議論する上で重要な指標となる2021/2022年度(7月〜翌6月)までの主要農畜産物の生産予測を公表した。

(参考) 農務省が2020年度のアグリビジネスを予測(ブラジル)

トウモロコシ、大豆、食肉、砂糖を中心に生産量の大幅な増加を予測

 主要農畜産物の生産は、2011/12年度〜2021/22年度までの10年間で堅調に増加すると予測された。生産量は、トウモロコシで7042万トン(18.1%増)、大豆で8891万トン(25.1%増)、砂糖で4860万トン(25.7%増)、食肉については、鶏肉で2033万トン(56.1%増)、牛肉で1183万トン(32.3%増)、豚肉で407万トン(22.0%増)と、大幅な増加が見込まれている。
 トウモロコシ、大豆および砂糖の原料であるサトウキビは、作付面積が大幅に拡大するとみられている。10年間で、トウモロコシは1438万ヘクタール(4.3%増)、大豆は2909万ヘクタール(19.9%増)、サトウキビは1091万ヘクタール(20.4%増)に達するとみられる。大豆やサトウキビの作付面積の増加は、新たに開発される土地に加え、牧草地などからの転作が要因として考えられている。
 食肉も国内外の強い需要に応えて、鶏肉を筆頭に大幅な生産量の増加が見込まれる。食肉の生産量増加に伴い飼料穀物の消費量も増加し、トウモロコシ生産量の83.5%、大豆かすの50.5%は国内で消費される見通しとなっている。
 輸出に関しては、上述した品目のうち、特に大豆、牛肉および鶏肉について、ブラジルは主要輸出国としての存在感を増すとみられる。2021/22年度の世界の貿易量に対して、大豆は43.0%、牛肉は23.2%、鶏肉は43.5%を占めると予測される。
 

前年度に引き続き、MATOPIBA地域の躍進を予測

 北部・北東部のマラニャン州(MA)、トカンチンス州(TO)、ピアウイ州(PI)、バイア州(BA)の4州にまたがるMATOPIBA地域や中西部のマットグロッソ州といった農業新興地域は、平坦で広大な土地、豊富な水源、生産に適した雨量・日照時間があり、トウモロコシや大豆をはじめとした品目で20%超の増産が期待されている。
 ただしマットグロッソ州については、今後10年間でMATOPIBA地域を大きく上回る農地価格の高騰が懸念されている。
 さらに両地域の課題として、道路や港湾などの輸送アクセスの整備、資金不足などが挙げられる。
【岡 千晴 平成24年5月31日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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