米国農務省、2012/13年度産の米国トウモロコシの需給見通しを据え置く
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は6月12日、2012/13年度(9月〜翌8月)における国内外の主要農作物の需給見通しを公表した。今回の報告では、トウモロコシおよび大豆の生産見通しについては、すべて前月の予測値が据え置かれた。
トウモロコシの需給予測は前月の数値を据え置く
米国における2012/13年度産のトウモロコシ(以下、「新穀」)については、中西部での乾燥状態が懸念されていたものの、前月の予測値が全て据え置かれた。
2011/12年度産(以下、「旧穀」)のトウモロコシについては、総消費量が前月値に据え置かれた。内訳としては、国内消費量はエタノール生産増加に伴い5000万ブッシェル上方修正される一方で、輸出は船積み量の減少等を受け5000万ブッシェル下方修正された。今後は、タイトな国内供給量や特にブラジルとの市場競争が高まることから、夏場にかけてさらに輸出量が減少すると予測される。
期末在庫は、旧穀・新穀ともに前月の予測値が据え置かれた。また、生産者平均販売価格も前月の予測値から動きがなかった。
旧穀の期末在庫量は下方修正されるとの見方が大勢を占める中、今回のUSDAの発表で前月値に据え置かれたことから、シカゴのトウモロコシ先物価格(7月)は前日比8.00セント安の584.0セントで引けた。
大豆は旧穀・新穀ともに期末在庫を下方修正
2012/13年度産の大豆(以下、「新穀」)については、現在の輸出量や搾油向けの増加を受け期首在庫(2011/12年度の期末在庫)が減少したため、総供給量が下方修正された。輸出は、総供給量の減少に伴い前月より2000万ブッシェル減の14億8500万ブッシェルに下方修正された。期末在庫については、先月より500万ブッシェル減の1億4000万ブッシェルと下方修正された。
また、2011/12年度の大豆(以下、「旧穀」)については、中国の輸入増等が見込まれることから輸出が前月より2000万ブッシェル増の13億3350万ブッシェルと上方修正された。消費については、国内の大豆ミールの使用増を受けて1500万ブッシェルに上方修正された。
期末在庫については、消費量が上方修正されたことにより先月より350万ブッシェル減の1億7500万ブッシェルと下方修正された。
今回のUSDAの発表で、旧穀・新穀ともに期末在庫が下方修正されたことから、シカゴの大豆先物価格(7月)は、前日比10.25セント高の1435.0セントで引けた。
【山神 尭基 平成24年6月13日発】
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