畜産 畜産分野の各種業務の情報、情報誌「畜産の情報」の記事、統計資料など

ホーム > 畜産 > 海外情報 > 2012年 > 韓国鶏肉需給の現状と今後の見通し(2012年6月現在)

韓国鶏肉需給の現状と今後の見通し(2012年6月現在)

印刷ページ
 韓国農村経済研究院(KREI)農業観測センターが5月25日に公表した2012年6月号の畜産観測(ブロイラー編)に基づき、韓国の鶏肉需給の現状と今後の見通しを報告する。

飼養羽数は前年を若干上回って推移

 2012年5月の素ひな生産羽数は8579万羽(前年同月比1.1%増)となった。
 6月のブロイラーの飼養羽数は、1億1012万羽(同2.2%増)と、前年を若干上回って推移すると見込まれる。
 

食鳥処理羽数も前年を上回って推移

 2012年6月の食鳥処理羽数は、飼養羽数の増加により前年同月比2.7%増の8158万羽と見込まれる。
 今後も素ひなの生産羽数の増加傾向が予測されることから、7月の処理羽数は9108万羽(同5.3%増)、8月は7553万羽(同6.3%増)と前年水準を上回ると見込まれる。
 

6月以降の生体価格は弱含みの見通し

 4〜5月の生体価格は、1キログラム当たり1,568ウォン(108円:100ウォン=6.89円(5月末TTSレート))と前年同月比1.9%安と、供給量の増加により前年を下回る水準となった。米国で発生したBSEを原因とした牛肉の代替需要による価格上昇は、一時的なものであった。
 6月は、1世帯当たりの平均鶏肉購入量が増加していることを背景に需要増が見込まれるものの、輸入量及び国内在庫の増加により、供給量も増加していることから同1,300〜1,500ウォン(90〜103円)と、前月より下落すると見込まれる。
 その後も供給過多の傾向が続くと予想され、7月は前年同月比6〜16%減の同1,600〜1,800ウォン(110〜124円)、8月前年同月比9〜20%減の同1,500〜1,700ウォン(103〜117円)と見込まれる。
 

2012年1〜4月までの輸入量、ブラジル産が大幅増

 2012年1〜4月までの鶏肉輸入量は、38,110トン(前年同期比14.0%増)であった。国別に見ると、米国が22,748トン(同6.6%減)、ブラジルが14,129トン(81.7%増)、その他デンマークなどが1,234トン(同4.2%減)であった。
 鶏肉輸入量のうち9割を占めるのが、冷凍もも肉である。同期間の輸入量は、34,318トン(同17.7%増)であった。国別に見ると、米国が22,368トン(同8.1%減)、ブラジルが11,798トン(同251.0%増)とブラジル産が大幅に増加している。
 現地報道によれば、この一因として、大手食品産業メーカーが昨年よりから揚げ用原料の鶏もも肉を国産からブラジル産にシフトしたとされている。
 大韓養豚協会では、消費者は輸入品と国産の区別がつかず、価格だけで安い輸入品を選択させられているとして、「原産地表示」のチェック強化と「と鳥日の表示制度」の導入を政府に要請している。
 
【宗政 修平 平成24年6月20日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-4397