欧州委員会は、2010年のBSE発生状況を公表した。
これによると、BSE陽性牛の頭数は45頭で、前年より減少した。
欧州委員会は、2010年7月16日に今後5年間の伝達性海綿状脳症(TSE)対策の指針となる第二次TSEロードマップを公表。それに基づく牛海綿状脳症(BSE)関連対策は、特定危険部位、飼料規制、BSEサーベイランス※、BSE患畜同居牛の処分が示されており、食品の安全性の確保に対する処置が行われている。
今回の公表された数字は、BSEサーベイランスの一環で実施されるBSEモニタリング・システムにより確認されたものである。このモニタリング・システムは、健康牛は、30か月齢以上、リスク牛(「死亡牛」、「緊急と畜牛」および「と畜前検査で何らかの臨床症状が認められた牛」は24か月齢以上のものについて検査が行われることになっている。
※BSEサーベイランス(BSE Surveillance :BSE検査・監督体制)の目標として「複数年にわたりBSEの有病率の動向を追うことにより、飼料規制や特定危険部位の除去などのBSE対策の効果を把握し、評価すること」となっている。
2010年のBSEモニタリング・システムに基づき検査を受けた牛頭数は7,504,787頭であった。そのうち、リスク牛は1,173,069頭、健康牛は6,330,680頭であった。378頭についてはBSE対策として疫学関連性を調べるために検査をし、660頭が受動検査(通常通報を受けて、検査)を受けた。
2010年の発症頭数は、45頭であり、2009年の67頭より33%減少したものとなり、100万頭当たりの発症率は、0.09から0.06へと減少したこととなった。
発生国の内訳は、スペイン、フランス、アイルランド、オランダ、オーストリア、ポーランド、ポルトガル、スロバキアおよび英国であった。