ブラジル、2011/12年度のトウモロコシ生産は第2期作の収穫が進行、大豆は収穫終了
ブラジル食糧供給公社(CONAB)は7月10日、2011/12年度(10月〜翌9月)の主要穀物生産動向調査報告(第10回)を発表。生産量は、トウモロコシが前年度比21.0%増の6948万500トンと過去最高が予測される一方、大豆が同11.9%減の6637万600トンと予測された。トウモロコシは先月の予測が上方修正されたものの、収穫が終了した大豆は、ほぼ同じ予測値であった。
(参考)
ブラジル、2011/12年度のトウモロコシ生産量は記録更新の一方、大豆は減産の見通し
トウモロコシ:好調な第2期作トウモロコシの収穫が進行
2011/12年度産トウモロコシについて、作付面積は前年度比9.5%増の1511万1400ヘクタール、単収は同10.6%増の 1ヘクタール当たり4.6トン、生産量は同21.0%増の6948万500トンと予測された。
ブラジルでは、トウモロコシの栽培は第 1 期作(夏作)と大豆の裏作として生産される第 2 期作(冬作)の年 2 回行われる。
第1期作は、南部などの主要生産地域で収穫が終了していることから、総生産量は前年度比2.8%減の3491万5400トンと見込まれている。
第2期作は、堅調な価格などを背景に、生産者の作付意欲が高まったことから、作付面積は同22.7%増の729万9200ヘクタールと大幅に増加した。第1期作の減産見通しを受け、種子や肥料に対する投資が増加したことや、天候に恵まれたため、単収は1ヘクタール当たり4.8トンと上方修正された。この結果、生産量は同60.9%増の3456万5300トンと予測された。現在、主要生産地域である中西部や南部のパラナ州などで収穫が進行中である。例年、南部を中心に降霜が懸念されるが、現時点では降霜の可能性は低いとみられ、生産量はさらに上方修正される可能性がある。
大豆: 収穫は終了
2011/12年度産大豆について、作付面積は前年度比3.4%増の2500万500ヘクタール、単収は同14.8%減の1ヘクタール当たり2.7トン、生産量は同11.9%減の6637万600トンと予測された。
大豆の収穫はほぼ終了したため、大きな変動はなくは先月の予測値とほぼ変わっていない。
シカゴ相場の高騰を受け、トウモロコシおよび大豆価格が上昇
6月末に発表された米国の主要生産地域での高温と乾燥気候による作柄悪化を受け、南米のトウモロコシと大豆の価格が上昇傾向にある。
ブラジルのトウモロコシ生産は、第2期作の大幅な増産予測から、主要生産州のスポット価格を中心に下落がみられたものの、シカゴ相場の高騰を受け、上昇に転じた。
大豆は、2011年の干ばつを受け、2011/12年度は減産となったことからすでに高騰していた価格が、記録を更新し続けている。このように好調な価格の推移から、来年度の作付は大幅に増加することが予測されている。
(参考)アルゼンチンは大豆の収穫は終了、トウモロコシは8割を超える
アルゼンチンの2011/12年度の穀物の収穫は大豆の収穫は終了、トウモロコシは8割を超え、終盤を迎えている。ブラジル同様に、干ばつの被害を受けた上にさらに高温などの影響により、ブエノスアイレス穀物取引所の生産量予測は、トウモロコシは前年度比14.3%減の1930万トン、大豆は同19.0%減の3990万トンとされた。7月19日時点で、トウモロコシはは種面積の90.6%、大豆は収穫が終了している。
【岡 千晴 平成24年7月23日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-8609