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メキシコの畜産を巡る最近の情勢〜雨期到来により2012/13年度のトウモロコシ生産は増産を見込む〜

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2011/12年度産は減少も、2012/13年度産トウモロコシは増加

 干ばつの被害がより明らかになり、米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は「GAIN Report」で2011/12年度(10月〜翌9月)のメキシコにおけるトウモロコシ生産量の速報値を1900万トンから90万トン下方修正し、前年同期比4.7%減の1810万トンとした。トウモロコシ総生産量の約75%を占める春・夏トウモロコシ(2010年に播種を行ったもの)の最終的な生産量を左右する、重要な生育段階での干ばつが、生産量の減少につながったとされる。
 他方、2012/13年度産トウモロコシは、現在春・夏トウモロコシが生育段階にあるが、上方修正が行われ、2150万トンとなった。これは、トウモロコシ主要生産地域の多くで平年通り雨期に入り、増産が見込めることや、播種面積が増加したことによる。
 農畜水産農村開発食料省(SAGAPRA)は、今年の雨期、降雨が平年並みに経過すれば、2012/13年度の穀物生産には問題がないとみている。

鶏肉生産量は今後も前年をわずかに上回って推移の見込み

 USDA/FASの「GAIN Report」によると、2011年の鶏肉生産費は1キログラム当たり13〜18.2ペソ(約90〜126円、1ペソ=6.93円)であったが、2012年前半は24ペソ(約166円)と大幅に増加し、うち飼料費が生産費の70〜80%を占めるとみられている。干ばつが長期化したことに加え、米国の干ばつによりトウモロコシのシカゴ相場が上昇していることを考慮すると、経営環境の悪化でこれまでの生産量増加率を維持することは難しいが、同レポートの予想によれば、2012年の鶏肉生産量は前年比1.3%増の294万5千トン、2013年は同1.0%増の297万4千トンと見込まれている。

統計データ

【柴ア 由佳 平成24年8月9日発】
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