ブラジル、2011/12年度トウモロコシ生産量は前年度比26.8%増の7278万トン
ブラジル食糧供給公社(CONAB)は8月9日、2011/12年度(10月〜翌年9月)の主要穀物生産動向調査報告(第11回)を発表した。生産量は、トウモロコシが前年度比26.8%増の7277万6400トンと過去最高が予測される一方、すでに収穫が終わっている大豆は同11.8%減の6639万8900トンと前月とほぼ同じ予測となった。
(参考)ブラジル、2011/12年度のトウモロコシ生産は第
2期作の収穫が進行、大豆は収穫終了
好調な第2期作のトウモロコシ生産量は7カ月連続で上方修正
2011/12年度産トウモロコシについて、作付面積は前年度比9.4%増の1510万400ヘクタール、単収は同15.9%増の 1ヘクタール当たり4.8トン、生産量は同26.8%増の7277万6000トンと予測された。
ブラジルでは、トウモロコシの栽培は第 1 期作(夏作)と大豆の裏作として生産される第 2 期作(冬作)の年 2 回行われる。
第1期作は、南部などの主要生産地域で収穫が終了しており、総生産量は前年度比2.1%減の3421万8900トンと見込まれている。
一方、第2期作の生産量は前年度比71.7%増の3855万7600トンと7カ月連続で上方修正された。これは、第2期作全体の約6割を生産するマットグロッソ州およびパラナ州で、生育期間を通じて天候に恵まれたため、単収が大きく伸びたことがその理由とされている。
トウモロコシ輸出には港湾の滞船が課題
7月のトウモロコシ輸出量は、米国の減産予測を受け、前年同月比5.3倍の170万3790トンと大幅に増加した。CONABの2011/12年度のトウモロコシ輸出量予測は、前月発表の1200万トンから1400万トンに大幅に上方修正されており、実現すれば過去最高の輸出量となる見込みである。
しかし、ブラジルのトウモロコシ輸出にとって、港湾混雑から積み荷の取り扱いを待つ船が港の沖合に停滞する滞船の解決が喫緊の課題となっている。7月末現在、主要輸出港の滞船数は100隻を超えているが、これは荷役能力の慢性的な不足や港湾施設職員などのストライキが原因となっている。
(参考)アルゼンチンのトウモロコシ収穫は終了間近
アルゼンチンの2011/12年度の大豆の収穫はすでに終了しており、トウモロコシの収穫は作付面積の9割を超え、終了間近である。ブラジルと同様に、春夏作の作物は干ばつの被害を受けた上にさらに高温の影響を受けており、ブエノスアイレス穀物取引所は、トウモロコシの生産量を前年度比14.3%減の1930万トン、大豆を同19.0%減の3990万トンと予測している。
(参考)アルゼンチン、2012/13年度の輸出許可量を
1500万トンと発表
【岡 千晴 平成24年8月10日発】
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