米国農務省、2012/13年度のトウモロコシ生産量を大幅に下方修正

　米国農務省世界農業観測ボード（USDA／WAOB）は8月10日、今年初めてとなる全国作況調査に基づく単収予測を踏まえ、2012/13穀物年度（9月〜翌8月）における国内外の主要農作物の需給見通しを公表した。これによると、米国におけるトウモロコシの生産量は、収穫面積及び単収減が見込まれることから先月の予測値より大幅に下方修正された。

　トウモロコシの作付面積は、先月の予測値が据え置かれたものの、収穫面積が8890万エーカーから8740万エーカーにわずかに下方修正された。注目された単収は、コーンベルトの多くの地域で6月末から続く高温・乾燥の影響を受け、先月の1エーカー当たり146.0ブッシェルから123.4ブッシェルに下方修正された。これにより生産量も21億9100万ブッシェル下方修正されて107億7900万ブッシェルになると予測された。
　一方、消費量のうち飼料等向けは、トウモロコシ価格の高騰を背景に7億2,500万ブッシェル下方修正された。エタノール向けは、4億ブッシェル下方修正がされた。アメリカ穀物協会によると、現在のトウモロコシ価格の高騰は畜産の生産コストを引き上げることが見込まれ、例としては、繁殖母豚の淘汰が進むことが挙げられる。また、輸出はトウモロコシ生産量の減少が見込まれることから、3億ブッシェル下方修正された。この結果、総消費量よりも総供給量が少ないことから、期末在庫は5億3300万ブッシェル下方修正され、在庫率は先月の9.3％から5.8％に低下した。
　生産者平均販売価格は、需給のひっ迫感を受けて先月の値から下値、上値を2ドル以上引き上げ過去最高値となるブッシェル当たり7.50〜8.90ドルになると予測された。
今回のUSDAの発表で、一時相場は上昇したもののシカゴのトウモロコシ先物価格（9月)は、前日比18.25セント安の800.00セントで引けた。

　大豆の2012/13年度における作付面積は、先月の予測値が据え置かれたものの、収穫面積は7460万エーカーに下方修正された。また、今年初めての作況調査による1エーカー当たりの収量は、過去の実績を基に算出された予測値である40.5ブッシェルから36.1ブッシェルに下方修正された。この結果、大豆生産量は26億9200万ブッシェルに下方修正された。
　国内消費量は、大豆価格の高騰により搾油向けが下方修正され、輸出は生産量の減少の見通しにより下方修正された。その結果、総供給量の減少が見込まれることから、期末在庫は1500万ブッシェル下方修正されて1億1500万ブッシェルと予測された。
　これにより、1ブッシェル当たりの生産者平均販売価格は、下値、上値を2ドル引き上げ15.00〜17.00ドルになると予測された。
今回のUSDAの発表で、生産量および期末在庫量が下方修正されたことからシカゴの大豆先物価格（8月)は、前日比15.00セント高の1709.50セントで引けた。