指標となるサンパウロ州のブロイラー生産者価格は7月26日に上昇に転じ、8月14日に生体1キログラム当たり2.4レアル(1レアル=39.1円:94円)となり3割以上、上昇したまま高止まりしている。
2012年1月以降、大豆かす価格の高騰による生産コストの上昇、鶏肉供給過剰による生産者価格の低迷などから、生産調整が進み7月に入り鶏肉需給がタイトになったことを受け、生産者価格は一気に上昇に転じたとみられる。
参考 ブラジル、鶏肉生産コストが1年間で3割増加
http://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_000683.html
さらに生産コスト多くを占めるトウモロコシ価格についても、米国の干ばつによるシカゴ相場のトウモロコシ価格の高騰に伴い、ブラジルの国内価格も上昇し、現在も高止まりしている。
参考 シカゴ相場高騰を受け、ブラジルの穀物価格も上昇
http://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_000667.html
これを受け、生産コストがさらに上昇するとの懸念が高まる中、大手食肉パッカーは鶏肉を含む卸売価格に生産コストの上昇分を転嫁する動きが出始めた。
鶏肉・豚肉生産量でブラジル第1位の食肉パッカーBrasil Foods(BRF)社は、第2四半期(4〜6月)に1〜2%上げた卸売価格を、さらに第3四半期(7〜9月)中にも5〜10%上げることを8月14日に発表した。
業界第2位のMarfrig社もBRF同様、マージンを確保するため卸売価格を5〜10%上昇させるという。