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韓国豚肉需給の現状と今後の見通し(2012年8月現在)

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最終更新日:2012年9月25日

 韓国農村経済研究院(KREI)農業観測センターが8月27日に公表した2012年9月号の畜産観測(豚編)に基づき、韓国の豚肉需給の現状と今後の見通しを報告する。

2012年9月の飼養頭数は970万頭前後

 6月時点の農家戸数は6525戸(前年同月比9.6%増)となった。1戸当たりの飼養頭数は1446頭(同17.4%増)と口蹄疫(FMD)発生後、経営を再開した生産者が母豚の導入を増やして経営の規模拡大を図っていることを主要因とし、9月の飼養頭数は970万頭前後(6月比2.3〜3.4%増)と見込まれる。猛暑による母豚の生産性の低下と枝肉価格の減少傾向により12月は前回見通しを20万頭程度下回る960〜980万頭と見通される。
図1
図2

9月以降のと畜頭数はFMD発生前より増加見込み

 2012年7月のと畜頭数は、大韓養豚協会が推進している早期出荷奨励(2012年6月〜12月の間、出荷体重を115kgから110kgに引き下げ、枝肉重量の削減により生産量を調整し枝肉価格の安定を図ることを目的)により前月比4.1%増の109万頭となった。
 2012年9月〜翌年2月のと畜頭数は、FMDが終息した後に導入した母豚から生まれた豚が出荷時期を迎えていることにより、前年同期比22.1%増の734万頭とFMD発生以前の2010年同期と比べ7.3%増になると見込まれる。
表1

9月および10月の枝肉価格は1キログラム当たり3,000ウォン台に下落の見通し

 8月の枝肉価格は、気温上昇による飼料摂取量の低下による出荷体重の減少および豚肉の品質低下により前月比5.2%安の1キログラム当たり4,149ウォン(296円:100ウォン=7.14 円(8月末TTSレート))となった。
 需要減退期の9月の枝肉価格は、出荷頭数の増加による豚肉の供給過剰、豚肉の品質低下が懸念され、前月見込みより同200ウォン安の同3,700〜3,900ウォン、10月は3,000〜3,200と4,000ウォン台を大きく下回る価格で推移すると見込まれる。
 11〜12月の枝肉価格は、冬季の需要期を迎えることから同3,400〜3,700ウォンまで持ち直すものの、平年を下回る価格で推移すると見通されている。
図3
図4
図5

2012年7月の輸入量は前年同月比60.5%減

 2012年の7月の豚肉輸入量(HSコード:0203)は、前年同月比60.5%減の2万9千4トンとなった。
 また、今後、国内の供給量の増加による豚肉在庫の拡大と輸入豚肉の販売不振により2012年9月〜翌年2月の輸入量は前年同期より38.0%減少し、9万トン〜9万5千トンになると予測されている。
 国内産枝肉の価格が下落していることにより、食肉加工業者が輸入品から国産品への切り替えが進んでおり、7月の豚肉在庫は国産品が前月比1.5%減少した一方、輸入品は同12.4%増加したことから、輸入量は減少傾向で推移すると見通される。
 輸入量が減少しているにもかかわらず、国内産の供給増加により、2012年9月〜翌年2月の豚肉全体の供給量は前年同期比より5.9%増加すると見込まれている。
図6
表2
                              【平成24年9月25日 宗政 修平 発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-4397