シカゴ相場高騰から飼料用トウモロコシの供給元多角化へ(韓国)
ここ数年、韓国の飼料用トウモロコシは、9割近くを米国から輸入してきたが、2012年6月末の米国の干ばつに端を発したトウモロコシのシカゴ定期相場の上昇を受け、南米やウクライナにシフトしている。
韓国飼料協会によると、「2012年下期は、南米産(ブラジル、アルゼンチン)トウモロコシの輸入量が増える見込み。輸入先の変化の一番大きい理由は購入価格の差によるもので、米国産は、既に収穫が行われており、価格も大幅に上昇している状況を勘案すると、今後、ますます米国産以外の輸入量が増加すると思われる。」とのことであり、米国産より価格優位性が堅持されれば、今後は南米産やウクライナ産が増加すると見込まれる。
南米にシフトの傾向
2010年の飼料用トウモロコシの輸入量は653万トンで、米国産が599万トン(シェア94%)であった。2011年においても輸入量は567万トンで、米国産が484万トン(同84%)であった。残りは南アフリカから手当した。
2012年は1〜8月の時点で、輸入量は389万トンで、米国産は234万トン(同60%)と低調の一方、南米(ブラジル・アルゼンチン)から82万(皆増)、ウクライナから44万トン(同)と供給元の多角化を図った。
ブラジル開発商務省貿易局(SECEX)によれば、1〜8月の韓国向け船積み数量は89万トンであり、そのうち韓国で通関した数量は8月までに17万トンとなっていることから、9月以降、72万トンが輸入される見込みだ。
米国産は他国産よりトン当たり20ドル高
韓国が飼料用トウモロコシの供給元を米国から他国へシフトした要因は価格である。
2010年のCIF価格(年平均)は、米国産がトン当たり223ドル、ブラジル産が同211ドル、アルゼンチン産が同223ドルであった。
2011年は、米国産が同309ドル、南アフリカが同296ドルであった。
2012年(1〜8月の平均)は、米国産が同324ドル、ブラジル産が同307ドル、アルゼンチン産が同303ドル、ウクライナ産が同305ドルとなっている。米国産の価格が他国と比べ同20ドル程度高いことが、供給元を米国から南米やウクライナにシフトした要因である。
(参考)
韓国の飼料原料高騰の対応およびブラジルの2012年8月のトウモロコシ輸出量については、こちらを参照してください。
【宗政 修平 平成24年9月27日発】
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