ブラジル開発商工省貿易局(SECEX)によると、2012年9月のブラジル産トウモロコシの輸出量は単月で過去最大となった。輸出量の増加の要因としては、米国の干ばつによる需給ひっ迫に伴う米国産の高騰により、ブラジル産に価格優位性があること、飼料用小麦の国際価格も高騰していることなどがある。9月の国別輸出先はイラン向けが63万2340トン(前年同月比81.1%増)、日本向けが49万4721トン(同26.4%増)、エジプト向けが39万6292トン(同3.6倍)、韓国向けが31万7011トン(同18.5倍)となり、これら4カ国で全輸出量の約6割を占めた。特にエジプト向けと韓国向けは7月以降、急増している。
2012年1〜9月の累計でみると、2011年第1位であったイラン向け輸出量が最大で、次いでエジプト向けおよび韓国向けが続いている。一方、米国産トウモロコシの輸出量(2012年1〜8月累計)は、韓国向け(前年同期比59.1%減)、エジプト向け(同89.9%減)とも大幅な減少となっている(米国農務省)。両国へのブラジル産の輸出実績は前年、わずかであったが、米国産の高騰が響き、ブラジル産へ大きくシフトしている。
なお、日本向けは、2011年は73万4500トンであったが、2012年1〜9月の累計は86万9000トンとなり、すでに前年を上回っている。
食糧供給公社(CONAB)によると、2011/12年度のトウモロコシ輸出量は米国産の不作により、1750万トンと過去最高が見込まれるものの、2012/13年度の輸出量は1500万トンに減少するとみられている。次年度、米国の生産が回復すれば、2013年のブラジル産の輸出需要は低下するものとみられている。
参考
月間トウモロコシ輸出量が9月も過去最高を記録(ブラジル)
シカゴ相場高騰から飼料用トウモロコシの供給元多角化へ(韓国)