欧州委員会は10月18日、2011/12年度(4月〜翌年の3月)における生乳供給量を公表した。EUの生乳クオータ制度に基づいて、各加盟国は9月1日までに前年度の生乳供給量をEUに報告することとなっている。11/12年度において生乳クオータを超過した国は、オーストリア、アイルランド、オランダ、ドイツ、キプロスおよびルクセンブルクの6カ国で、前年度の5カ国から1カ国増えた。
生乳クオータを超過した生乳生産量6カ国合計で、283,000トンであった。
一方、EU全体の生乳供給実績は、生乳クオータ上限の▲4.7%レベルと依然として下回っているが、昨年度の▲5.5%からクオータ達成率に近づいたこととなり増産傾向であることが分かる。また、加盟国間において、生乳生産量が超過する国とブルガリア、ルーマニアなどクオータ未達率幅が大きくなる国とに分かれてきており、EUの中で生乳生産の二極化が進んでいることがうかがえる。
生乳クオータには、生産者が乳業メーカーに出荷する「出荷クオータ」と生産者が消費者に直接販売する「直接クオータ」があるが、今回超過した6カ国のうちオランダは、両方のクオータで超過している。
生乳クオータを超過した場合、課徴金(超過分100キログラム当たり27.83ユーロ(約2,839円::1ユーロ=102円))が課せられる。11/12年度の課徴金は6カ国で7900万ユーロ(約80億6千万円)となり、10/11年度の5557万ユーロ(約56億7千万円)の約1.4倍増加した。