米国農務省、トウモロコシ、先月の予測値を据え置く
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は12月11日、12月の世界農産物需給推計の月次報告を公表した。米国における2012/13穀物年度(9〜翌8月)のトウモロコシは、生産者平均販売価格以外全て前回の予測値に据え置かれた。一方、大豆は消費量の増加が見込まれることから、在庫量は下方修正された。なお、米国のトウモロコシおよび大豆は既に収穫を終了しており、12月は作況調査が行われないことから、当月の報告では穀物の生産に係る数値は変更されていない。
トウモロコシ価格はやや下落へ
トウモロコシの平均生産者販売価格は、価格高により消費量が伸び悩む状況にあることを考慮して前月予測値から上値、下値ともに下方修正され680〜800セントと予測された。
トウモロコシのシカゴ先物相場は、11月前半、1ブッシェル当たり7ドルを割り込む水準で推移したものの、11月後半から現在まで7ドル台半ばで推移している。
今回、USDAが輸出向けなどの需要を積み増すと予想していた市場関係者にとって、予測値が据え置いたことは、予想外であり、シカゴのトウモロコシ先物価格はUSDA月次報告の公表後に下落し、12月9日は前日比2セント安の724.25セントで引けた(12月限)。
大豆の在庫量は微減
大豆の消費については、世界的な大豆製品(油、大豆かす)の需要の高まりを背景に搾油向けの増加が見込まれることから1000万ブッシェ上方修正された。この結果、期末在庫は1000万ブッシェル下方修正された。大豆の平均生産者販売価格は、9月の高騰時から落ち着き、前月の予測値からさらに上値、下値ともに下方修正され1ブッシェル当たり13.55〜15.55セントと予測された。
今回、期末在量の減少がわずかであったことから、シカゴ相場の大豆先物価格はUSDAの月次報告の公表後、わずかに値を下げ12月9日は前日比2.75セント安の1472セントで引けた(1月限)。
【山神尭基 平成24年12月12日発】
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