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EU農業者収入、前年比1%増

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 EU統計局(EUROSTAT)は、12月12日にEUの農業者の収入に関する推計値を公表した。それによると、2012年のEU農業者一人当たりの農業収入は、前年比1%増となり、2011年の同8.0%増と比べて増加率は低下したものの、引き続き増加したことがわかった。
 この収入増加は、農業からの収入が0.5%増加した一方、生産コストとしての農業労働費が0.5%減となったためである。
 2005年から2012年でEUの農業実収入は29.7%増加した一方で、農業労働費は20.0%減少している。
 農業からの収入の増減を加盟国別にみると、27カ国のうち、16カ国で増加しており、11カ国で減少している。最も増加率が大きかった国は、ベルギーで前年比30.0%増、次いでオランダ同14.9%増、リトアニア13.6%増、ドイツ同12.1%増となっている。一方、最も減少率が大きかった国は、ルーマニアで同16.4%減、ハンガリー15.7%減、スロベニアで同15.1%減となっている。
表

畜産物の生産額増加が大きく寄与

 生産額は、生産者価格ベースで前年比1.8%高となっており、畜産物が同3.8%高と大きく寄与し、穀物は同0.5%高とわずかの伸びにとどまった。
 畜産物をみると、価格が前年比3.9%上昇したのに対し生産量は同0.2%減とわずかに減少している。最も大幅に価格が上昇したのは、鶏卵(同36.2%高)であり、豚肉(同10.2%高)、牛肉(同8.5%高)、鶏肉(同1.9%高)が続いた。多くの部門で価格が上昇するなかで、価格が下落したのは、生乳(同5.4%安)、羊及びヤギ(同1.3%安)となった。
 生産量が増加したのは、生乳(同0.9%増)、鶏肉(同2.7%増)となり、生産量が減少したのは、牛肉(同2.4%減)、卵(同1.8%減)、豚(同1.0%減)となった。
 また、実質生産費は、EU全体で前年比1.6%増加した。特に増加が大きかったのは、施設維持費(同3.5%増)、飼料費(同3.7%増)、光熱費(同6.3%増)、金融仲介費(同6.6%増)等であった。
【矢野 麻未子 平成24年12月19日発】
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