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現行の農業法の期限、9月末まで延長(北米)

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 米国議会は、2013年1月1日、現行の農業法の期限を2012年の期限切れまでさかのぼり本年9月末まで1年間延長をすることを上下両院で可決した。これにより、喫緊の課題であった乳製品価格支持制度(以下、DPPSP)は次の期限まで現行の農業法で定められた内容が適用される。しかし、新農業法の制定に向けての議論は停滞しており、今後も財政問題の解決と上下両院の法案の取りまとめには多くの時間を要することから新農業法の制定は難航するものと思われる。

これまでの経緯

 米国農業政策の枠組みを決める包括農業法は、おおむね5年に1度改正され、現行の農業法は2012年9月30日に期限を迎えた。しかし、新農業法の制定にあたっては、米国財政問題の解決と上下両院での法案の相違が争点となり、議論が難航し多くの制度が期限切れ、または期限切れを迎えつつあった。新農業法の制定など何らかの手当てがなされない場合、価格支持制度には、1949年に制定された恒久法が適用されることとなる。
 DPPSPは12月31日に期限を迎え、期限が延長されなければ、1949年の恒久法が適用されるため米国内の生乳価格が現在の2倍の1ガロン(約3.78リットル)当たり7ドルまで上昇すると懸念されていた。今回、現行の農業法の期限が延長されたことで、生乳価格上昇の危機は回避できた。
 一方、酪農団体(NMPF)が生乳所得損失補填契約事業(以下、MILC)などを廃止し、新農業法に加えることを要望していた生乳供給管理および酪農マージン保護政策は、現行の農業法が継続されることにより対象から除外され、MILCは継続されることとなる。

終着点の見えない両院の法案

 上下両院の農業法案の焦点となっているのは、(1)農業法のうち予算額の大きいフードスタンプや栄養プログラムなどの予算削減を行い財源の節約を図ること、(2)農家に対するセーフティーネット(上院は所得補償、下院は所得補償又は目標価格の選択を志向。下院案は上院案を予算額が約100億ドル近く上回る。)、(3)作物保険(上院案と下院案では予算額に40億ドル近くの格差)、(4)環境保全地区プログラム(CRP)による対象地の上限の削減などがある。厳しい財政状況で、いかに歳出削減を行い、農家に対する経営安定対策を講じていくのか今後の動向に注目が集まる。

今後の新農業法案の審議等

 現行の農業法が継続されたものの、新農業法の制定には以下の通り予算審議等を経る必要があるため、先行きは不透明である。
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【山神 尭基 平成25年1月11日発】
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