2012年の牛肉輸出量は前年比14.9%増と好調(ブラジル)
2012年の牛肉輸出量は93万8000トンに回復
2012年のブラジル産牛肉の輸出量は前年比14.9%増の93万8000トンと2011年の落ち込みから回復した。これは、米国やアルゼンチンなどの主要生産国の輸出量が減少したことや、為替相場が2011年と比べ、ドル高レアル安で推移したことが要因とみられる。
冷蔵牛肉は同41.2%増の12万5000トン、冷凍牛肉は同11.7%増の81万3000トンとなった。輸出先をみると、ロシア向けが冷凍牛肉で同9.8%増の25万トンと前年に引き続き最大の輸出先となったことに加え、冷凍では同5.6倍に増加し3200トンとなっている。この他、中国向けの冷凍牛肉の輸出も同5.2倍の1万7000トンと大幅に増加した。
2012年末のBSEの発生確認は輸出の足かせにならず
2012年12月にブラジルで初めてのBSE発生が確認、公表された。現在、12カ国がブラジル産牛肉輸入の停止などの措置(南アフリカ、サウジアラビア、ベラルーシ、韓国、日本、カタール、台湾が輸入停止。チリ、ヨルダン、レバノン、ペルーが一部または期間を限った停止。)を行っているものの、総輸出量のうちにこれらの国々が占める割合は小さく、また、2013年1月の輸出量は、前年同月比42.6%増の8万9000トンと大幅増を記録していることからもこの影響は限定的とみられる。
なお、国際獣疫事務局(OIE)では2013年2月11日、今回のブラジルでのBSE初発生について再評価し、「無視出来るリスク」というBSEステータスに変更がないとした。しかしながら、OIEは今回、発生を確認するまでの経緯において、OIEへの診断確認用サンプルの提供などに時間を要したことには懸念を表明している。OIE理事会は次回会合(2013年9月)で、ブラジル政府の各種手続きの改善措置などを再度評価することとしている。
参考
ブラジルのBSE初発生に対する各国の対応(ブラジル)
【岡 千晴 平成25年3月4日発】
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