2012/13年度の大豆生産量は降雨によって下方修正(ブラジル)
ブラジル食糧供給公社(CONAB)は3月7日、2012/13年度、第6回目(10月〜翌9月)となる月例の主要穀物作付状況調査報告を公表した。CONABは、トウモロコシの生産量見込みを前年度比4.2%増の7607万トンと前月と見込みをほぼ据え置く一方、大豆を同23.6%増の8206万トンと前回の見込み(8342万トン)を下方修正した。
参考
2012/13年度のトウモロコシおよび大豆の生産量は過去最高となる見込み(ブラジル)
トウモロコシ:第2期作トウモロコシ作付が増加
ブラジルでは年2回のトウモロコシ生産が行われる。前年度、主要生産地域の南部を中心に干ばつの影響を受けた第1期作トウモロコシは、平年並みの天候による単収の回復が見込まれることから、2012/13年度のトウモロコシ生産量は前年度比2.7%増の3479万トンと予測されている。
第2期作トウモロコシは、早生種の大豆の収穫直後、大豆と同じほ場に作付される。早生大豆の利用拡大によって、生産者は第2期作トウモロコシの作付を増やす傾向にある。しかし今年は、第2期作の主要生産州であるマットグロッソ州で1月末からの連日の降雨によって大豆の収穫が遅れており、第2期作の作付にも影響を与えている。2月下旬までに作付が終わらなかった場合、トウモロコシの代わりにフェイジョン豆やソルガム、ヒマワリ、綿花などの作付に変更する場合もある。マットグロッソ州農業経済研究所(IMEA)によると、2月28日時点で予測されるトウモロコシ作付面積のうち87.8%で作付が終了しているものの、前年同期と比べると7.5ポイント遅れているという。
大豆:マットグロッソ州で降雨によって収穫が遅れる
大豆は全ての主要生産州で作付が拡大したため、作付面積は2765万と前年度比10.4%増の大幅増となった。南部はトウモロコシ同様干ばつの影響からの回復が見込まれるものの、最大の生産州のマットグロッソ州では、1月から2月上旬にかけて降雨が過剰となり収穫が遅れたことに加え、単収も影響を受けた。ただしIMEAによると3月1日時点で大豆の収穫は64.9%と前年同期と比べ6.1ポイント遅れているものの、2月下旬に収穫された地域の単収は1ヘクタール当たり3.1トンと前年並みとされている。
【岡 千晴 平成25年3月11日発】
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