牛の飼養頭数は減少も、米国向け生体牛輸出は増加(メキシコ)
生体牛の輸出増加により、メキシコ国内の牛肉生産量の低迷を懸念
米国農務省海外農業局(USDA/FAS)の「Gain Report」によると、メキシコの肥育素牛生産者および食肉パッカーは、生体牛の輸出が続くことにより、短期および中期的な国内の牛肉生産にマイナスの影響を与えることを懸念している。
米国では、長期間、牛群の縮小傾向が続いている。国内最大の牛繁殖地帯であるテキサス州を中心に、2011年、2012年と2年連続の干ばつとなったことなども影響し、肥育素牛価格が高騰している。このため、米国と国境を接しているメキシコからの肥育素牛の輸入が増加している。この傾向は特に、国境付近のチワワ州、バハ・カリフォルニア州、ソノラ州の牛肉生産量が減少していることからも明らかである(表参照)。
2012年のメキシコからの米国向け生体牛輸出は、前年比3.4%増の146万6000頭となった。しかしながら、これは、メキシコの牛の飼養頭数がこれまでにないほど減少している中での輸出増加であった。テキサス州と同様、2012年に過去70年間で最悪の干ばつに見舞われたメキシコは、子牛の生産頭数が回復しない中、国内向け牛肉生産量および国内でのと畜頭数が減少しており、このことが肥育素牛生産者および食肉パッカーの懸念材料となっている。
統計データ
【柴ア 由佳 平成25年3月18日発】
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