米国農務省、2013/14年度のトウモロコシおよび大豆の生産見通しを公表
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は5月10日、2013/14穀物年度(2013年9月〜2014年8月)における国内外の主要農作物の需給見通しを公表した。これによると、米国におけるトウモロコシの生産量は、干ばつによる減産となった前年を大幅に上回り過去最高を記録すると予測している。
トウモロコシの生産量は過去最高の予測〜価格は下落
米国における2013/14年度のトウモロコシ生産量は、単収や作付面積が前年を上回るとの見込みから前年比31.2パーセント増の141億4000万ブッシェル(3億5916万トン)と増産見通しとなった。単収は、今後の天候および5月現在の作付状況を考慮し算出された予測値として、同28.0パーセント増の158ブッシェルと見込んでいる。なお、この数値は、作付状況の遅れを反映し、2月のUSDAアウトルックフォーラムで示された予測値(163.6ブッシェル)から下方修正している。作付面積は、3月末の作付意向調査の結果を受け、同0.1パーセント増の9730万エーカー(3,892万ヘクタール)と見込んでいる。
一方、2013/14度のトウモロコシ総消費量は、前年を16.0パーセント上回る129億2000万ブッシェル(3億2817万トン)と予測された。この増加は、飼料向けやエタノール向けなど全ての用途向けが上方修正されたことによるものである。特に飼料向けについては、増産見通しによりトウモロコシ価格が下落し、消費量の増加が見込まれることから同21.0パーセント増の53億2500万ブッシェル(1億3526万トン)と予測している。期末在庫量は、前年を大幅に上回る20億400万ブッシェル(5,090万トン)と予測され、期末在庫率は前年度の8.7ポイント増加した。
また、増産により需給の緩和が見込まれることから、生産者平均販売価格は、減産により高騰した前年(1ブッシェルあたり6.70-7.10ドル)を大幅に下回る4.30〜5.10ドルになるとしている。
大豆、増産により需給は緩和へ
2013/14年度の大豆生産量は、トウモロコシの作付面積増に伴い作付面積が前年をわずかに下回るものの、単収は前年を大きく上回る44.5ブッシェルとの見込みから、前年比12.4パーセント増の33億9000万ブッシェル(9,221万トン)と増産見通しとなった。
一方、消費量については、同6.0パーセント増の32億6400万ブッシェル(8,878万トン)と増加見通しとなった。用途別に見ると、増産により価格下落が見込まれることから輸出向けが同7.4パーセント増の14億5000万ブッシェル(3,944万トン)と増加見通しとなった。また、大豆かす需要増を背景に、国内搾油向けも同3.7パーセント増の16億9500万ブッシェル(4,610万トン)と予測している。
期末在庫は、増産見通しにより前年を2倍上回る2億6500万ブッシェル(720万8000トン)とし、期末在庫率は4.0ポイント増加した。また、生産者平均販売価格は、9.50〜11.50ドルになると予測している。
【山神 尭基 平成25年5月13日発】
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