中国政府は6月9日、国際獣疫事務局(OIE)に対し、雲南省香格里拉(シャングリラ)県における牛の口蹄疫(A型)の発生を通報した。
雲南省では、最近、口蹄疫の発生がなかったものの、隣接するチベット自治区では、5月だけで4件の発生が確認されており、中国における口蹄疫(A型)発生の範囲が拡大しつつある。
香格里拉は、近隣に世界自然遺産を有する中国有数の観光地であることから、これから夏に向け観光シーズンの到来とともに、人物の往来が活発となることが想定される。また、雲南省や隣接する四川省は、中国有数の育牛産地であることから、今後の発生範囲の拡大が懸念される。
なお、今回の発生場所では、豚も飼育されていたため、併せて淘汰されたが、口蹄疫の発生は確認されていない。
※ 雲南省の牛飼育頭数(2011年):745.7万頭(全国第3位:国内シェア約7.2%)
(2013年のA型口蹄疫発生状況)
・牛:11例 3月:1例(青海省)
4月:2例(新疆ウイグル自治区、チベット自治区)
5月:7例(新疆ウイグル自治区(2例)、チベット自治区(4例)、青海省)
6月:1例(雲南省)
・豚: 1例 2月:1例(広東省)
【概 要】
・発 生 日 : 2013年6月9日
・発生場所 : 雲南省 香格里拉県
・病 原 : 口蹄疫ウィルス(血清型:A型) ※発症原因:不明
・患畜概要 : 牛(飼育頭数1213頭・発生頭数283頭・死亡数0頭・淘汰数1213頭・と畜数0頭)
豚(飼育頭数554頭・発生頭数 0頭・死亡数0頭・淘汰数554頭・と畜数0頭)