アルゼンチン農牧連盟(CRA)などからなる生産者団体は6月12日、政府に対し、穀物販売の正常化やROE(輸出業務登録制度)の廃止などを求め、6月15日(土)から19日(水)までの5日間、農産物の出荷を停止することを決定した。CRAのプレスリリースによると、農産物の出荷停止は、と畜向け生体牛、穀物、農産物が対象となるが、主に生乳などの生鮮品は除外される。同団体は声明で、このストライキによって食糧の供給不足や価格の値上がりは引き起こさないことを強調している。
現地報道によると、ストの決行が事前に通知されたことで、主要な輸出業者は12日(水)から通常より多くのトウモロコシの買い入れを行い、13、14日も同様の動きは続くとしている。また、ロサリオやその周辺の主要な穀物港では、農家が大豆の収穫を優先させるため、トウモロコシの収穫を中断していることもあり、とうもろこしの在庫が不足しているとも報じられている。
一方で、農業ストが輸出に与える影響をそれほど悲観視していない向きもある。ある農業コンサルタントは、トウモロコシの在庫は様々な港に分散しており、ストが1週間程度であれば、大幅な船積みの遅れはないだろうとコメントしている。また、船積みの遅れの影響を受ける船は全体の3分の1程度との見方を示している。