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2013年6月のフィードロット飼養頭数は前回調査から9%増加(豪州)

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 豪州フィードロット協会(ALFA)は8月20日、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)と共同で四半期ごとに実施している全国フィードロット飼養頭数調査の結果(2013年4−6月期)を公表した。これによると、2013年6月末時点の総飼養頭数は87万2992頭となり、前年同期から10.7パーセント増、前回調査(2013年3月末時点、79万9034頭)からは9.3パーセント増と、いずれもかなりの程度増加した(表1)。また、フィードロット稼働率は73.3パーセントとなり、6年ぶりに7割を上回った(図1)。
表1
図1

NSW州を除く全州で、前回調査から増頭

 ALFAは、各州における増頭の最大の要因は、肥育素牛価格の下落であるとしている。干ばつによる飼養環境の悪化から、牧草肥育を行う生産者は肉牛を早期に手放し、出荷頭数が増加したことから、肉牛の生体価格は5月中旬ごろまで下落傾向にあった。2013年第2四半期(4〜6月)における肥育素牛(去勢、生体重330〜400kg)の平均価格はキログラム当たり167豪セント(152円:1豪ドル=91円)と、第1四半期からは5パーセント安、前年同期からは16パーセント安となった。

 州別では、クイーンズランド(QLD)州が前回調査から5万3191頭増加(前回調査比11.3%増)した。干ばつは同州および北部準州(NT)の内陸部で特に悪化しており、この地域から肥育素牛の出荷が増加したことがQLD州での増頭につながった。

 また、ビクトリア(VIC)州が前回調査比26.1パーセント増、南オーストラリア(SA)州が同8.0パーセント増、西オーストラリア(WA)州が同38.5パーセント増となった。南部の州での増頭については、肥育素牛価格の下落に加え、豪州南部の穀物価格が北部と比べ安値で推移したことを要因に挙げている。

 唯一減少したのは、ニューサウスウェールズ(NSW)州である。同州北部のフィードロットは、肥育素牛の出荷が増加したQLD州内陸部やNTと距離があり、輸送コスト上、その恩恵を受けることができず、また、QLD州南部の穀倉地帯であるダーリングダウンの穀物価格高の影響も大きかったとみられる。
図2

グレインフェッド牛肉の2012/13年度輸出量は前年度比2%増

 MLAによると、2012/13年度(7月〜翌6月)のグレインフェッド牛肉輸出量(船積重量ベース)は19万8158トン(前年度比2%増)となった。輸出先別では、日本向けが日本国内での米国産との競合から12万1398トン(同6.3%減)、韓国向けも同1パーセント減となった。一方、EU向けが同82%増、中国向けが同429%増と大幅に増加し、日本、韓国向けの減少を補う形となった。
【伊藤 久美  平成25年8月20日発】
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