ラボバンク、乳業メーカーランキング(2012年)を公表
オランダに本拠地を置く金融機関のラボバンクは、2012年の世界主要乳業メーカー売上高ランキングを発表した。これによると、首位はネスレ社(スイス)、2位はダノン社(フランス)、3位はラクタリス社(フランス)と続き、上位5位は2007年から定位置を維持した結果となった。
首位のネスレ社(スイス)は、オーガニック部門の成長とファイザーの乳幼児栄養部門の買収により収益を23パーセント伸ばした。また、全ての企業で、近年の需要の変化への対応と自社の成長や企業買収などにより売上高を拡大させている。特に、第9位のサプート社(カナダ)はモーニングスター部門(Moningstar:米国)の買収によりトップ10入りを果たしている。
最近のトップ20に入るメーカーの動きとしては、買収・合併による巨大化である。過去18カ月で、19の買収・合併もしくは体制の再構築があり、トップ20の中でも売上に大きな格差が出てきている。トップ20の総売上額のうち、49パーセントをトップ5が占めており、この割合は前年の45パーセントから拡大している。この買収・合併による巨大化の傾向は、今後も続くとみられている。
また、注目すべき点として、中国の乳業メーカーの伸びである。2008年までリストに入らなかった中国の乳業メーカーは、いまや2社がトップ15に入る状況となった。さらに、中国政府は、国内市場の拡大に伴い国内の乳業の集約・統合を目指しており、近い将来、巨大な中国の乳業メーカー誕生の可能性が高くなっている。
【矢野 麻未子 平成25年10月2日発】
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