2013/14年度、第1回主要穀物の生産状況等調査結果を公表(ブラジル)
ブラジル食糧供給公社(CONAB)は10月9日、2013/14年度(10月〜翌年9月)の第1回主要穀物の生産状況等調査の結果を公表した。当該調査の目的は、大豆、トウモロコシ(第1期作)等春植え作物の作付面積を測定するとともに、秋植えの冬期作物(カラス麦、ライ麦、大麦、小麦)の生産見通しを予測することにある。ブラジル国内の主要生産地において、9月16日から20日の間に実施された。
同調査結果によると、2013/14年度の主要穀物の作付面積は、5418万ヘクタール〜5518万ヘクタールの範囲(前年度比1.7%〜3.6%増)で増加するものと見込まれている。これは小麦および大豆の作付面積の拡大に起因する。大豆の作付面積は93万4600ヘクタール〜162万6400ヘクタールの範囲(同3.4%〜5.9%増)で増加し、小麦も28万6400ヘクタール(同15.1%増)と増加が見込まれている。一方で、第1期作のトウモロコシの作付面積は大豆への作付転換が進んだことから、25万7400ヘクタール〜46万1800ヘクタールの範囲(同3.5%〜6.8%減)で減少が見込まれている。
また、2012/13年度の主要穀物の生産量は1億8682万トンに達したが、2013/14年度は509万トン〜868万トンの範囲(同2.7%〜4.6%増)になると見込まれている。
第1期作トウモロコシの作付面積は減少見込み
第1期作トウモロコシの面積は636万ヘクタール〜657万ヘクタールの範囲(同3.7%〜6.8%減)になると見込まれている。
南部では通常、8月から播種が開始される。今年は9月下旬の長雨の影響が響き、パラナ州では作付見込面積の3割、リオ・グランデ・ド・スル州では同5割が終了しているのに留まっており、作付け作業に遅れが生じ、前年度と比べ進ちょく率は低い。現在、中西部では播種の開始に必要な適切な土壌水分を確保するために降雨を待っている状況である。
なお、主要生産州であるリオ・グランデ・ド・スル州の作付面積は90万9300ヘクタール〜93万ヘクタール(同10.0%〜12.0%減)と見込まれている。
一方、北東部のバイア州では高度な技術の利用によりセラード地域での作付けが主に行われており、同州の作付面積は15.0パーセントから20.0パーセント増と見込まれている。この増加の背景には、近隣の州でトウモロコシ需要が高まり、販売が拡大していること、トウモロコシが輪作体系に組み込まれていることがある。しかし、天候は恵まれておらず、作付けはまだ開始されていない。
こうしたことから、2013/14年度の第1期作トウモロコシ生産量は3225万トン〜3345万トンの範囲(同4.0%〜7.4%増)で増加が見込まれている。
大豆の作付面積は過去最高の見込み
2013/14年度の大豆の作付面積は2866万3700ヘクタール〜2935万6100ヘクタールの範囲(同3.4%〜5.9%増)となることが見込まれ、過去最高を記録するとみられる。これは国際価格が高水準で推移していることにより、生産者が大豆の作付意欲を高めているためで、大豆は、販売されるとすぐに価格の支払いが行われている。
大豆はブラジル国内の様々な地域で作付けされており、雨季が10月から次の作物期間まで続き、大豆およびトウモロコシを同一の区域に作付けすることができるため、比較的広い地区で大豆を作付けし始めており、2月から大豆の収穫を行うと同時に第2期作のトウモロコシの作付けができている。これは特にマットグロッソ州などの中西部の地域に多く見られる。これらの地域では荒廃している牧草地の穀物生産への転換が大規模に進んでいる。その他の地域では、気候条件からこのようなことはできないため、播種に必要な湿度を確保する程度の降雨があればすぐに夏季作物である大豆、トウモロコシ、及び綿の間で作付け地域の競合が生じることになる。
大豆の生産量についても8760万2800トン〜8972万500トンの範囲(同7.5%〜10.1%増)となり、過去最高となることが見込まれている。
【横打 友恵 平成25年11月1日発】
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