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EU、米国に牛肉輸出再開へ

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米国、BSEに対する輸入規制をOIE基準に合わせることを発表

 欧州委員会は11月2日、米国農務省(USDA)が、牛海綿状脳症(BSE)に対する米国の輸入規制を国際獣疫事務局(OIE)の設定する国際基準に合わせるとの発表に対して、歓迎の意を表した。
 米国は、EUで発生したBSEを理由に1998年1月からEU産牛肉の輸入を禁止している。EUは、OIEより「無視できるリスクの国」および「管理されたリスクの国」に指定されており、一定の条件下で輸入は解禁にすべきであると米国に訴えていた。
 今回の米国がOIE基準に合わせるとの発表により、EUは15年ぶりに米国への牛肉輸出再開が可能となる。
 EUの牛肉主要生産国であるアイルランドの関係団体は、当発表に対し「新たな市場機会をもたらすもので米国の決定を歓迎する。米国には、グラスフェッドのアイリッシュビーフは需要がある。隙間市場に対してアプローチを行う。」とのコメントを発表している。

EUの牛肉生産

 2012年のEUの牛肉生産量(枝肉重量)は757万8200トンであり、主要生産国は、フランス(147万7200トン)、ドイツ(114万トン)、イタリア(98万1100トン)、英国(88万2600トン)で、この4か国が牛肉生産のビッグ4と呼ばれている。EUは、酪農が盛んであるため、牛肉生産量のうちおよそ66パーセントが乳用種によるものである。
 EUの牛肉消費量は、近年の経済悪化により、鶏肉などの安価な食肉への移行がみられ減少しており、域外市場の開拓は、牛肉関係者にとって重要事項となっていた。近年の輸出入は、BSE発生により2003年より純輸入国となっていたが、BSEなど疾病管理の徹底およびユーロ安に支えられ、2010年から純輸出国に転じている。主な輸出先は、トルコ、ロシアおよびレバノンであり、近隣諸国への輸出が主である。
 また、日本への牛肉輸出は、2013年2月にフランスおよびオランダで解禁となっている。
EU牛肉需給
EU牛肉貿易状況
【矢野 麻未子 平成25年11月12日発】
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