米国農務省、単収増により2013/14年度のトウモロコシ生産見通しを更に上方修正
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は11月8日、2013/14穀物年度(9月〜翌8月)の国内外の主要農作物需給見通しを公表した。これによると、米国のトウモロコシ生産量は、単収が9月時の予測から上方修正されたため、増加となった。
作付遅延および乾燥天候にもかかわらず、単収は前年を大きく上回る
米国のトウモロコシ生産量は、収穫面積が前月より190万エーカー(76万ヘクタール)減少となったものの、トウモロコシの生育が順調であったことから、主要生産5州のうち、ミネソタ州を除いて単収が増加し、全米平均では9月比5.1ブッシェル/エーカー上方修正された。これにより、生産量は、139億8900万ブッシェル(3億5532万トン)と前回の見通しから1億4600万ブッシェル(371万トン)上方修正された。また、輸入量は、増産見通しから9月時の予測値に据え置かれた。一方、消費量は、トウモロコシ価格下落見通しによる飼料向けの増加に加え、輸出向けも上方修正されたことから、 9月時から2億7500ブッシェル(699万トン)増の129億5000万ブッシェル(3億2900万トン)とされた。
期末在庫量は、増産により総供給量および総消費量ともに上方修正されたことから、18億8700万ブッシェル(4793万トン)と前回から3200万ブッシェル(81万トン)引き上げられ、期末在庫率は14.6パーセントと前年度を大幅に上回るとみられている。
また、生産者平均販売価格は、豊作により在庫水準が高くなる見込みから、9月時の値から下値、上値がそれぞれ引き下げられ、1ブッシェル当たり4.10〜4.90ドルと予測されている。
大豆生産量は、単収の増加により上方修正
2013/14年度の大豆生産量は、主要生産5州のうち、ミネソタ州を除く4州(イリノイ州、アイオワ州、インディアナ州、ネブラスカ州)で単収見込みが引き上げられたことから、32億5800万ブッシェル(8862万トン)と9月時の見通しから1億900万ブッシェル(296万トン)上方修正された。
一方、消費量については、大豆かすの輸出増が見込まれることから、9月時より3000万ブッシェル(82万トン)上方修正され、17億7200万ブッシェル(4820万トン)とされた。輸出向けは、増産による供給増に加え、2013年10月後半の大豆販売量が記録的なペースであったことを受け、9月見込みを8000万ブッシェル(218万トン)上回る、14億5000万ブッシェル(3944万トン)に引き上げられた。
期末在庫は、生産量見通しが9月の見込みから上方修正されたことを受け、1億7000万ブッシェル(462万トン)と前回から2000万ブッシェル(54万トン)上方修正され、期末在庫率は、5.2パーセントと9月から0.3ポイント増加した。生産者平均販売価格は、今回の増産見通しを受け、前回の値から、下値、上値、共に引き下げられ、1ブッシェル当たり11.15〜13.15ドルになると予測している。
【山神 尭基 平成25年11月12日発】
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