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2014年から2020年の多年次予算は、約1兆ユーロ(137兆円)

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 欧州委員会は11月19日、2014年から2020年に係る多年次財政枠組み(MFF:Multiannual Financial Framework)の予算について、欧州議会で承認が得られたことを発表した。
 当該枠組みについては、2011年6月29日に欧州委員会から初案が提出されて以降、2年半をかけて議論されてきたものであり、来週開催される欧州理事会にて承認されれば、最終決定となる。欧州における金融危機、経済悪化などを背景に、本予算額は、EU創設以来初めて前期を下回るものとなった。
 欧州委員会委員長のバロッソ氏は発表に際し、「EUは、2014年から2020年における成長と雇用に対し約1兆ユーロ(137兆円、1ユーロ=137円)の予算を組むこととなった。本予算でEUは回復し、強化され、維持するものとなるだろう。」と述べた。

持続的な成長、雇用及び競争性の強化

 2014年から2020年において、EUは、9600億ユーロ(131兆5200億円)(EUのGNIの1.00パーセント)までの投資および9084億ユーロ(124兆4508億円)の支払が可能となる。
 当予算の決定に際しては、「EU成長戦略2020:the EU's growth strategy Europe 2020」に基づき、持続的な成長、雇用及び競争性の強化と関連しているものを優先しており、例えば、現在の枠組みと比べて、「成長と雇用のための競争力」に対する予算を915億ユーロ(12兆5355億円)から1256億ユーロ(17兆2072億円)へと増加させている。

農業部門は新たな挑戦へ

 新たな共通農業政策(CAP:Common Agricultural Policy)は、今日の大きな課題である食品安全、気候変動および地域社会における持続可能な成長と雇用創出に強く応えるものである。
 直接支払では、より公正で、より環境親和的な制度となった。さらに、生産者の食品チェーンにおける立場の強化、支援対象の明確化、効率的かつ透明性を促進させ、より市場志向型の農業を支援するものとなっている。
 農産物輸出による付加価値は1000億ユーロを超え、EUの輸出金額全体の約7%を占める製品である。過去50年、CAPは欧州の戦略的成長にかかせない重要事項であり、持続可能な成長と雇用創出に大きく寄与してきた。また、現在、EU全体の農業資金のうち、70%はこのEU共通財政から拠出されている。
 2014-2020年の枠組みでは、CAPの第1の柱である「市場関連支払及び直接支払」に全体予算額の29%、3127億ユーロ(42兆8399億円)、第2の柱である「農村開発」に同9%の956億ユーロ(13兆972億円)が割り当てられた。
2014-2020年予算
予算内訳
【矢野 麻未子 平成25年11月22日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際グループ)
Tel:03-3583-9805