2013/14年度エタノール輸出量、前年度から減少の見込み(ブラジル)
ブラジルの2013/14年度(10月〜翌9月)エタノール生産量は、燃料向け246億2900万リットル(前年度比1.0%減)、非燃料向け18億7900万リットル(同14.9%減)とみられており、全体では265億800万リットル(同2.2%減)の見通しとなっている(表)。これは、サトウキビ1トン当たりの産糖量(ATR)が前年同時期から7.5キログラム減少しているものの、サトウキビのエタノール仕向け割合が前年同時期より7.3ポイント増の60.8パーセントまで増加したことに起因している。
一方、同年度のエタノール消費量は、2013年5月1日からガソリンへの無水エタノール混合率が25パーセントに引き上げられていることや、同年12月、政府がペトロプラス石油公社のガソリン卸売価格を4パーセント値上げしたことなどから、前年度比10.3パーセント増の251億8400万リットルに増加する見通しとなっている。
2013/14年度エタノール輸出は28億6600万リットル(同24.0%減)と、輸出先国第一位である米国向けが減少する見込みのため、前年度から大幅な減少とされる。米国向け輸出量が減少見込みとなっている背景には、米国内でのエタノール原料トウモロコシ価格の下落から、ブラジル産のエタノールの価格優位性が縮小していることがある。エタノール国際卸売価格の推移を見ると、米国の価格は2013年6月以降下落傾向で推移しており、9月にはブラジル(含水、無水ともに)の価格を下回っている(図1)。このため、2013年12月のブラジルのエタノール輸出量は、9601万6000リットル(前年同月比79.3%減)となり、米国向け輸出量は1901万7000リットル(同92.4%減)と大幅に減少した(図2)。
【植田 彩 平成26年2月4日発】
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