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2013年12月期のフィードロット導入頭数、南部で増加、2013年グレインフェッド輸出量は1割増(豪州)

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 豪州フィードロット協会(ALFA)は2月17日、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)と共同で四半期ごとに実施する、全国フィードロット飼養頭数調査の結果(2013年12月期)を公表した。これによると、2013年12月の総飼養頭数は81万405頭(前年同期比2.3%増、前回調査比2.9%増)と、前回調査が行われた同年9月からわずかながらに増加した(表1、図1)。これは、ニューサウスウェールズ(NSW)州(前回調査比22.9%増)、ビクトリア(VIC)州(同8.2%増)、南オーストラリア(SA)州(同19.4%増)での増加によるものである。豪州南部では、進行する高温乾燥により牧草の生育状況が悪化し、放牧が困難となったことから、今期の導入頭数が増加した。
 一方、クイーンズランド(QLD)州では前回調査比5.6%減と、2期連続の減少となった。QLD州では、内陸部での深刻な干ばつが、穀物の減産による州内の穀物価格の高騰、肥育もと牛の品質低下や頭数の減少をもたらしている。ALFAは、こうした状況が、同州での導入頭数の減少につながったとしている。
フィードロット 表1
フィードロット 図1

2013年のグレインフェッド牛肉輸出量は、前年から1割増

 MLAによると、2013年のグレインフェッド牛肉輸出量(船積重量ベース)は、20万9069トン(前年比10%増)と、前年から1割増となった。これは、干ばつによるフィードロット導入頭数増加から、フィードロット出荷頭数が増加したことが要因になっているものとみられる(図2)。

 輸出量を国別で見ると、日本向けが11万6383トン(同6%減)、韓国向けが3万1020トン(同1%減)と減少した一方で、中国向けが前年の5.4倍となる2万531トン、EU向けが同1.8倍の1万1502トン、中東向けが同2倍の1万443トンとなった。主要市場である日本向けが、米国産との競合により減少する中で、他市場からのグレインフェッド牛肉への需要の高まりが、干ばつによる増産を吸収した形となった。

 MLAは、2014年のフィードロットの平均飼養頭数を、2013年1〜9月平均から9パーセント減の75万頭程度になるとみている。これは、2014年も穀物価格が高値で推移するとみられることや、肥育もと牛の供給減少により、もと牛価格の上昇が見込まれることに基づく予測である。MLAは、2014年の飼養頭数について、過去と比べるとなお高い水準としているものの、今後、飼養頭数の減少によりグレインフェッド牛肉が減産すれば、 日本向けと他市場向けとの競合が強まることも予想される。
フィードロット 図2
【伊藤 久美  平成26年2月19日発】
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